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れいむですか?
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※凄く賢いゆっくりがでてくるよ! ※原作キャラもでてくるよ! テラバイトれいむ 「ここはれいむのゆっくりぷれいすだよ、ゆっくりしていってね!」 「いや、だからここは守矢神社……ああもう、貴方達にわかりやすく言うと、ここは神奈子様のゆっくりプレイスであって……」 神社の境内に一匹のれいむと河童がいた。 れいむの方はお決まりのおうち宣言中のようだ。 「だってここに来た時は誰もいなかったよ!だかられいむはおうち宣言したんだよ!誰も返事はなかったよ!」 「それはここを留守にしていただけでね、ここはもう人がいたんだよ」 「そんなの関係ないよ!反論がなかったらそこはれいむのゆっくりプレイスになるんだよ、邪魔をするお姉さんはゆっくりでていってね!」 おかしいなと感じつつ、にとりはれいむに2、3の質問を始めた。 「ねぇれいむ、これはなんだい?」 「それは『マスクメロン』さんだよ!」 「品種はクリアと……じゃあこれはなんだい?」 「それは『守矢神社の御神体であるミジャクジ様』だよ!」 「造形クリア……れいむ、幻想郷が霧に覆われた時の犯人は覚えてる?」 「簡単だよ、『レミリア=スカーレット』だよ!」 「歴史クリア……最後に竹林の……ああ、名詞は行けるはずだから、八意永琳が先日開発したゆっくり成長剤の成分配合は?」 「簡単すぎて餡子がでちゃうね!『赤ちゃんゆっくりの中枢餡が20g、ありすの精子餡が40g、ぱちゅりーの通常餡が……(中略)……で最後に鬼の角の粉末が8gだよ!』」 「長文記憶もクリア……うーん、全然問題ないはずなんだけどなぁ」 「もう終わり?つまらない質問だったね、じゃあここはれいむのゆっくりプレイスだからさっさと出て行ってね!」 流石は技術屋、本来の目的であるれいむへの注意も忘れ、疑問解決へと没頭し始めた。 「おかしい、『はーどでぃすく』の導入により、確かにれいむの知識は増加しているはず……なのにどうしてこんなにバカなのかなぁ?」 「あらあら、どうして極秘の成分配合をれいむが知ってるのかしら?」 「やっぱり成体部品とはーどでぃすくの結合がうまくいって……ひゅい!?」 苦悩するにとりの後ろに表れたのは、月の頭脳である八意永琳。 「あのぱちゅりーの件以来、随分と大人しいと思ったらまた何かやっているのね?」 「え、えへへ、外からはーどでぃすくって言う機械が流れてきて、調べたところ記憶能力を向上させるらしいのでゆっくりに組み込んでみたんだけど……」 それがあの結果だよ、と言った感じで視線を送る。 視線の先にはおうち宣言をおえて境内を荒らしまわるれいむの姿があった。 「確かに賢くはなってるのに、どうしてああもゆっくりのままなんだろう」 「それはそうよ、あのれいむが得ているのは記憶力。 その記憶力を運用する知性や思考と言ったものはれいむのままなのでしょう?」 「あっ!」 確かにれいむは賢くなった、しかし行動原理はゆっくりのままであった。 このれいむに搭載されたのは1TBのハードディスク。 容量は勿論の事、回転速度も7200回転/分と早めのため、読み込み速度も申し分ない。 「これじゃ記憶力だけ優秀で中身がゆっくりのままだから、単に今まで以上に危険なゆっくりってだけね」 「あらら……じゃあぱちゅりーか、性格が穏やかな希少種に搭載すべきだったのかぁ……」 「もしくは中央演算装置が入ってくるのを待つ事ね」 「中央……えんざん?」 「まぁ幻想郷にはまだ早いものよ」 うふふと意地悪く微笑む永琳と、解決できない現状に悩み込むにとり。 守矢神社地下信仰対策室、技術開発本部は今日も平常運転だった。 あとがき 間が空いたのでリハビリを兼ねて書くも、相変わらずの内容だったね! 書いた人 NFRP おまけーね いつも以上に騒がしい境内が気になったのか、神社の神様の片方がドスドスと地響きをさせながらやってきた。 そんな神様の眼下に広がるは荒れに荒れた境内と、一匹のゆっくりれいむ。 「ゆんゆゆ~ん~♪」 「え?な、なにこれ?」 呆然とする神奈子。 そしてもうゲスにしか見えない歪んだ笑顔のれいむ。 「おばさん何か用?ここはれいむのゆっくりプレイスだからね、ゆっくりしないででていっ」 「……な、何ひとんちの境内を汚してるのよ、この饅頭がぁぁぁぁ!」 「ゆぴッ!?」 神の御足が当った時に一度、そして飛翔するれいむが着弾した時にもう一度、ゆっくりらしからぬ『ガンッ』とした高音が鳴り響く。 「ゆ゛っ、ゆ゛っ、ゆ゛っぐり……ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛……どぼじで……でいぶが……ごんなめに……」 れいむは顔面から着弾し、うつ伏せの状態で痙攣している。 後頭部からは機械部が露出されており、衝撃に対する処置が施されていなかった事が伺える。 「うっ、ううっ、いったぁあーい!何でゆっくりがこんなに硬いのよぉおお!」 「あらら、ハードディスクって硬いから……にとりったら、また耐久神奈子様お説教コースね」 「ひゅい!?」 「あとさっきも聞いたけど、どうして成分配合を知っているのか詳しく聞きたいわね、永遠亭にも対鈴仙用のお説教コースがあるのよ?」 「ひゅ、ひゅい!?」 にとり、お疲れ様。
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ストーリーに於ける立ち位置 博麗 霊夢。イーストランドの巫女。 レミリアと共に謎の軍勢を相手に戦っていたが敗北。 記憶を失いアリスに助けられる。 能力について 典型的な僧侶系。 ワイドヒール、オーバーヒールなどの強力な回復スキルを覚えふうまけっかいで魔法ダメージを軽減できる。 後衛にしてはHPがやや高く、消費SPは多いが自身にシールドを張ることが出来、 更にパッシブスキルによりFLEEはある程度保証されるので後衛過多になり始めたら前衛に押し出しても問題は無い。 序盤の一人旅の頃は防具を買うより、VITを上げた方が効果が出るのでVITを5~10振ると楽に進められる。 メイリンやてんしなどの前衛キャラが揃い出す頃からはINTを重点的に強化して回復力アップに努めたい。 道中、ボス戦ともに大変お世話になる存在であろう。 ワイドヒールはLv10でヒールLv0と同じ回復量になる。早い段階でLv10まであげて回復量を上げておきたい。 センチュアリは燃費の良い全体回復。Lv10でワイドヒールLv0と同じ回復量でSP5とコストが非常に良い。 回復量の低さから戦闘では使いにくいが、終盤は道のりが長くなっていくため、燃費の良い回復魔法は使い勝手が良い。 オーバーヒールはINT全振りだと終盤ではLv0でも400以上回復するので、レベルを上げるかは微妙。 キュアポイズン、ストーン、オールはあまり使う機会が少ないし、アイテムで代用できるためLv0のままでも良いだろう。 終盤は状態異常をしかけてくる敵が多くなるが、その頃はアクセサリーで状態異常自体を防いでいる事が多い。 リザラックションはレベルを上げる毎に消費SPが大きく下がるので使っていくのなら10まで上げてしまいたい。 ただし、同じ効果のはんごんふが200円と安価で売られているため、そちらで済ませてしまう人は上げる必要はない。 攻撃スキルは「ソウルストライク」のみなので火力不足な面がある。 基本的に「片手剣」は装備できないが、例外として「れいむ専用」の「片手剣」は装備可能。 装備可能な武具 武器 杖、鈍器、弓、札 防具 軽盾、軽鎧、腕具 ステータス 属性 無 LV HP SP STR AGI VIT INT DEX LUK 1 28 34 3 6 4 6 4 12 10 87 87 4 8 4 7 5 16 20 168 145 5 10 6 9 7 17 30 251 207 6 12 6 11 8 21 40 342 274 7 16 7 13 8 23 50 427 338 7 18 8 14 9 28 60 485 399 7 18 8 14 9 28 70 550 462 7 18 8 14 9 28 80 614 521 7 18 8 14 9 28 90 681 585 7 18 8 14 9 28 99 740 640 7 18 8 14 9 28 修得スキル 名称 消費SP 属性 範囲 効果 依存ステータス 習得レベル 備考 ヒール 4 味・単 HPを回復・倍率100% MATK・100% 1 ソウルストライク 3 念 敵・単 魔法・倍率100%ダメージ MATK 1 キュアポイズン 11 味・単 「どく」を回復 なし 2 [SP減少率] スキルレベル × 1[L-10] で消費SP「1」 サイコバリア 30 自分 「シールド」状態を 「9ターン」 付加する なし 5 [SP減少率] スキルレベル × 2[L-10] で消費SP「10」 ふうまけっかい 20 味・全 「バリア」状態を "5ターン" 付加する なし 6 [SP減少率] スキルレベル × 1[L-10] で消費SP「10」 ワイドヒール 18 味・全 HPを回復・倍率50% MATK・50% 11 スキルレベル×1毎にMATK+5%スキルレベル10でMATK100% キュアストーン 14 味・単 「せきか」を回復 なし 12 [SP減少率] スキルレベル × 1[L-10] で消費SP「4」 オーバーヒール 14 味・単 HPを回復・倍率300% MATK・300% 14 キュアオール 20 味・単 状態異常を回復 (「しぼう」は除く) なし 19 [SP減少率] スキルレベル × 1[L-10] で消費SP「10」 リザラックション 60 味・単 「しぼう」を回復 なし 20 [SP減少率] スキルレベル × 4[L-10] で消費SP「20」 センチュアリ 5 味・全 HPを回復・倍率25% MATK25% 22 フォーチュンスター - パッシブ 「LUK」が「スキルレベル × 3」「FLEE」が「スキルレベル × 1」上昇 なし 1 アドバンスドフリー - パッシブ 「FLEE」が「スキルレベル × 1」上昇 なし 1 効果補足 シールド 「物理」ダメージ半減 バリア 「魔法」ダメージ半減 名前 コメント
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『あれ?お前のゆっくりどこ行ったんだ?』 『昨日の夕方から見てないわ、いきなり消えちゃったのよ』 『ふーん… ゆっくりらしいな』 午後8 00、○○市内にある薄暗い公園、その唯一の入り口に2台のバイクが停まっている。 高い位置にあるハンドル、段つきのシート、けばけばしい色合いの車体、 こんなバイクの持ち主が溜まる公園に人はまず近寄らないだろう。警察と同族以外は。 その公園の中、冷たく光る電灯の下で3人の男が何かを囲んでいる。 男が茶色の酒瓶を使ってそれを軽くつっつき、囲まれた何かが喚く。 「いたいよ! やめてね!」 「何なのコレ?きもー」 男達が公園を訪れた時、公園のど真ん中でゆっくりしていってね、と叫ぶ生き物がいた。 まん丸に近い球体の体、黒く長い髪の毛、地味な公園に映える鮮やかな赤のリボン。 まるで人の生首の様なものだが、鼻は無い。 その目つきは挑発する様に真っ直ぐ人を見つめ、口元は自信ありげに微笑んでいる。 『ゆっくり』と呼ばれる、3人の男達が今まで見た事も聞いた事も無い生き物である。 驚いた事に言葉まで喋っている。 「ゆっくりしていってね!」 とまた叫ぶが、こんな不可解な生き物と共にゆっくりする気にはあまりなれない男達。 2時間後の某所での集会もあり、公園でいつものように仲間だけとだべっていたいのだ。 よく分からんが出ていけ、と眉の無い男が言う。 「やだよ!れいむはここでゆっくりしてるよ! れいむのゆっくりは誰にもじゃまさせないよ!ふふん!」 それを聞いて金髪の男がギャハハと笑う。 以前に自分の単車を蹴られた時と同じ、口だけが笑う笑い方だった。 彼は自分の空間に異物があるのを我慢出来ない男だった。 そして、ビールで少し酔っていた。 「いーじゃんいーじゃん、よくわかんねーけど集会までコイツで遊ぼうぜ れーむちゃんだっけ?僕と遊びましょーね!」 そう言って立ち上がり、キッと睨みつけるゆっくり霊夢の頬に向かって、 すこしだけ手加減した蹴りを放った。 それでも尖った靴のつま先から入る、非常に危険な蹴りだった。 『いきなり消えた?どこに?』 『知らないわよそんなの、どうせその辺ブラついてるんでしょ』 「いたい! れいむにいいつけてやる!」 「あぁ?」 ゆっくり霊夢の頬に、痣の様な黒い傷が出来た。 攻撃されたゆっくり霊夢にとっては最早、目の前の男達は敵同然。 最高に有効な脅し文句を叫ぶ。これで退かない者はいない。 「何言ってんだコイツ、誰に言いつけるって?」 「っつーかタカちゃんさー、馬鹿でしょマジで こんなワケの分からないのイキナリ蹴っ飛ばすとかさ」 「れいむは強いんだよ!おまえたちなんて簡単にやっつけちゃうんだよ!」 「そォ?じゃやってみろや」 ゆっくり霊夢は飽くまで退かない。強気の態度を崩さない。 自分には強い味方がいるのだから。今に自分を助けにくるのだから。 だから金髪の男を睨みつけるのを止めない。 強い意志を込めて、怖がらずに男を睨みつける。 男は、そんなゆっくり霊夢に更なる攻撃を加えんと 白いダブダブのズボンを履いた脚を振りかぶった。 吹っ飛ぶゆっくり霊夢。 男は、今度は本気だった。 「あーあ…、タカちゃん程々にね 遅刻したらまたミッチーに殴られちゃうよ」 「俺ちょっとビール買ってくるわ」 夜の公園内にドスッ、ドスッと砂袋を叩く様な音が響く。 男はそろそろ手加減を始め、白いズボンを脱ぎ始めた。 「オイオイ…」それを見て頬を引きつらせながら笑う男の仲間。 ゆっくり霊夢は力なく横たわり、薄目を開けたまま、 時折ピクッ、と震えた。もう叫ぶ事も、動く事すら出来なかった。 それでも希望は失っていなかった。 自分のヒーローは直ぐに助けに来てくれる。 ぶっきらぼうな態度がゆくりしてない奴、でも大好きな自分のヒーローが助けに来てくれる。 男はスボンを足首まで下げ、それを蹴り飛ばす様に砂場に放った。 タカちゃんと呼ばれた彼だが、彼は死んだ蝶々に 小便を引っ掛けるのが子どもの頃から好きだった。 そしてその嗜好は今でも変わっていない。 彼はゆっくり霊夢の上に、お尻を乗せる様にしてしゃがみこんだ。 仲間の一人が最寄りのコンビニに向かう為にバイクをふかせた。 彼はもう一本ビールが飲みたいな、と思った。 勘弁してよタカちゃん、と仲間の男が笑った。 『ふーん、ゆっくりらしいな』 『……』 『心配にならないのか?』 『何がよ』 『お前のゆっくりがお前に何も言わずに どっか行くなんて今まで無かったろ?』 『……』 『探しに行こうぜ、どうせ暇だしさ』 「オラ、残ってんぞ?」 ゆっくり霊夢は男の便器になっていた。 口はを閉じられない様に酒瓶が突っ込まれ、 金髪の男の尻から出ていったものは全て口内に流し込まれた。 ベンチの上にあった新聞紙で尻を拭く男、それを見て噴く男。 「ギャハハハハ!!タカちゃんマァジパねェ!」 ゲラゲラと笑う仲間。彼が初めて、友人のこの癖を見た時は 衝撃を受けたものだが、今ではもう慣れっこである。 初め薄目を開けたまま、ゆっくり霊夢はピクリとも動かなくなっていた。 あまりに酷い現実に思考が半分停止しているのだった。 昨日まではゆっくりお煎餅を食べていたのに、ゆっくりしていたのに。 またゆっくりしたいよ、助けて。 そう思ったところで、ゆっくり霊夢はまた吹っ飛んだ。 男は気が済んだと言わんばかりに、ゆっくり霊夢を蹴り飛ばしたのだ。 口の中に入りっぱなしだった酒瓶は破裂し、歯は砕け散り、 ガラス片はゆっくり霊夢の口内を滅茶苦茶にしてしまった。 4m程も吹っ飛び、ブランコの近くで朦朧とするゆっくり霊夢。 ゆっくり助けて、れいむはゆっくりしたいよ、またれいむとゆっくりしたいよ 朝起きて、ねぼすけなれいむを起こして、怒られて、でも一緒にご飯を食べて、 お膝の上でゆっくりお昼寝して、れいむのお友達とまりさと遊んで、 一緒においかけっこして、れいむが迎えに来て、夜は一緒のお布団で眠って、 れいむがれいむのお布団をとっていって、取り返そうとしたら怒られて、 れいむ、れいむ、れいむ、助けて 『どうする?行くか?』 『大丈夫よ、危ないところは教えてあるし どうせそのうちひょっこり出てくるわ』 『そうか』 『そうよ、だって癪じゃない あいつを心配して探しまわったなんて知られたら』 『あいつすぐ調子にのるし、むかつくニヤニヤ笑いする… ちょっとなに笑ってんのよ』 「れーむちゃん動かなくなっちゃったね…死んじゃった?」 「タカちゃんのウンコ臭過ぎたんじゃね? ヨシキ帰ってきたし、もう行こうよ」 「おぉ、最後に生きてるかどうか確かめようぜ ヨシキ、お前ジッポのオイル持ってるだろ?アレ貸せ」 「オオ、いいね!花火だよ!夏だね!」 おわり。 このSSに感想をつける
https://w.atwiki.jp/sakurayume/pages/123.html
http //blog.livedoor.jp/yukkuriplace_anko/archives/7105054.html https //w.atwiki.jp/ankoss/pages/1702.html 『飼いゆっくりれいむ』 D.O 我が家は、築100年を軽く超える古風な木造家屋である。 爺さんの若かった頃は農業をしていたとのことなので、蔵もあれば庭もあり、 さらにその周囲は生垣をはさんで小さな林まで広がっている。 外から見れば、歴史の重み、どころか幽霊屋敷の雰囲気漂わせていることだろう。 現在の主である私が手入れを怠っているので、庭はコケと背の高い雑草が生い茂り、生垣も所々穴が開いているからなのだが。 私が子供の頃は、周囲にまだ多くの農家も残っていたが、 十年ほど前に、ゆっくりの大規模な襲撃が起こり、すっかり疲弊してしまったようである。 もう少し山に近い田舎に立ち上がった、のうかりんを使った実験農場計画が始まった頃に多くの農地は売却され、 実験農場が順調な現状を考えると、このあたりも数年後にはのうかりん印の農場になりそうだ。 現在では町、というには空き家が多すぎる、少々寂しい地域となってしまっている。 そんなある日、仕事から帰ってみると、 庭にサッカーボールサイズと、テニスボールサイズの饅頭が一つづつ落ちていた。 日が暮れているので良く見えないが、赤白リボンの奴はたしかれ・・・れ?ゆっくりだ。 「ゆゆっ!おにーさん、ゆっくりしていってね!」 「ゆっくちしちぇっちぇにぇっ!」 「・・・・・・。」 家の電灯に照らされてみれば、薄汚れていて何ともゆっくりしていない奴等である。 少なくとも、見ているこちらとしてはゆっくりできない。 親子なのは間違いなさそうだが、親の方は全身余すところ無く、 マジックで唐草模様が描き込まれているあたり、町からやってきたのは間違いないだろう。 「にんげんさん、れいむはしんぐるまざーなんだよ!」 「へぇ・・・。で?」 「かわいそうなれいむたちを、ゆっくりかっていってね!」 「きゃわいくってごめんにぇっ!」 「・・・はぁ。」 なんだか、やり遂げた表情でこちらを見ている。 刈って、狩って、・・・いや、飼っていってね、か? どうやら、こんなにゆっくりしたおちびちゃんなんだから、人間さんも飼ってくれるに違いない、ということらしい。 とりあえずサンダルの裏を、その自信満々の顔面に押し当てて、塀の方に転がしてやることにした。 「ゆべしっ!」 「ゆぴぃぃいい!」 「・・・ペッ!」 噛んでいたガムが母れいむのリボンにジャストミートする。 「・・・・・・飯作ろ。」 別にゆっくりとやらに大した関心はない。 単に、コソコソ隠れているなら可愛げもあるが、ずうずうしさが気に入らなかっただけである。 これまでも野良猫やらなんやら、しょっちゅう仮の宿に使われていたので、 今更ゆっくりが庭に舞い込んだところで気にしない。 糞をばら撒かれないだけ、犬猫よりはありがたいくらいだ。 庭に住みたきゃ勝手に住めばいい。 こちらには当然世話する義務なんぞ無いのだから。 「ゆ゛、ゆ゛、ゆ゛、ゆ゛・・・・」 「ゆっくりー!」 痛みから回復したれいむ親子の方は、感動に打ち震えていた。 なにせ気がついたら、母れいむのリボンにペタリとついているのは、あの憧れの飼いゆっくりバッジ。 れいむも遠くで見ていたときは気づかなかったが、バッヂがまさか人間さんが口から吐き出されたものだったとは。 まあ、自分達もナワバリ(無意味極まるが)にしーしーでマーキングすることは多いのだから、そういうものなのだろう。 ・・・などと考えながら、リボンにへばりついたガムを、嬉し涙に潤んだ目で眺めていた。 そう、れいむはついに、ゆっくりの中でも最もゆっくりできると言われる、 あの飼いゆっくりにしてもらえたのであった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 翌朝。 便所から出て縁側を歩いていると、庭の隅に放置していた木箱から、れいむ親子が飛び出してきた。 「「ゆっくりしていってね!!!」」 「ん?まだいたか。」 朝からうるさい奴らだ。やはり猫の方がましだな。 「ゆーん。おにーさん、れいむたちにあさごはんちょーだいね!」 「ちょーらいにぇっ!」 昨日のゆっくり共が、これから仕事に行くという時に、なんだかずうずうしくゆぅゆぅ鳴いている。 「・・・・・・庭の草でも花でも、自分で適当に食え。」 「ゆゆっ!?おはなしゃん、たべちぇいいにょ?やっちゃー!」 「ゆーん、ごはんさんいっぱいだよ~。」 勝手に住むのはかまわんが、ゆっくりフードたら言うものまで買ってやる気など無い。 というか、ペットでもないのにいちいち飯などやらん。 「むーしゃ、むーしゃ。しあわせー。」 「むーちゃ、むーちゃ。ゆ・・ゆぇーん。」 「どうしたの、おちびちゃん。」 「れいみゅ、こんにゃにむーちゃむーちゃちたの、はじめちぇ。」 れいむ達は、飼い主であるおにーさんの愛情を全身で味わっていた。 なにせ、適当に食え、と言って指差した庭には、 柔らかそうなゆっくりした草、 タンポポやシロツメクサの類の雑草寄りの花、 背の低い木には実や柔らかい葉っぱ、 それに、今は何も成っていないが柿やビワの木も生えており、季節が来たら食卓を飾ってくれることだろう。 当然昆虫やミミズも、その気になれば取り放題だ。 ここは、森の中にあったとしたら、数十匹のゆっくりを余裕をもって支えることができる最上級の狩場であった。 それらが全て、この2匹だけのためのごはんだと言うのである。 「おにぃさぁん、ありがとぉぉぉおおおぉぉ。」 そんなある日、夕食の生ゴミを袋に入れて、裏庭のポリバケツに入れようとしたところ、 ゆっくり共が、よだれを滝の様にたらしながらこちらを見ていた。 ・・・・・・そういえば、今都会では『ゆっくりコンポスト』なるものがはやっていると聞く。 正直言って生ゴミを貯めこむのは嫌だし、こいつらでも使ってみるか。 「・・・食え。」 翌朝、袋の中身がきれいさっぱりなくなっていた。 袋に何かが入っていた形跡すら無い。よだれらしきものでベタベタではあるが。 「ゆっくちちたおやさいしゃんだったにぇっ!」 「おにーさんにありがとうってするんだよ。」 「ゆっくちりきゃいしちゃよ。」 「なるほど。こいつは便利だ。」 それからというもの、あの親子は毎日ポリバケツに放り込むはずだった生ゴミを、おやつだと大喜びで食べている。 生ゴミを放置しすぎて増えていたりぐるとかも減った。 生ゴミがなくなったからか、りぐるも食べているのか・・・ しばらくすると、いちいちこいつ等が『おうち』とやらにしている、庭の隅の木箱まで生ゴミを持っていくのもめんどくさくなってきた。 まずは縁側の下に少し穴を掘り、用済みとなったポリバケツを横倒しにしてはめ込む。 ポリバケツの内側に土をいくらか入れ、周囲の穴との隙間にも土を詰める。正面から見るとパッと見トンネルのような感じだ。 あとはあのゆっくり親子を中に放り込んで、自家製コンポストは完成。 「ゆわーい。きょきょはれいみゅたちのおうちなんだにぇ。」 「ゆっくりー!おにーさん、ありがとう!」 なんかぽいんぽいんと跳ねて喜んでいるが、台所からも食卓からも近いここが、 生ゴミを放り込むのに適していただけだ。 「ん、で、あと何が必要だ?」 「「ゆぅ?」」 なんといっても、使い道ができた以上、もはや野良猫と同等ではない。 金をかけてやるつもりはないが、それなりのメンテナンスはしてやろう。 コンポストとしてある程度長持ちしてくれなければ困るからだ。 「ゆ、ゆぅーん!れいむはみずあびができたらうれしいよ。きたないとゆっくりできないよ。それと・・・」 「それと?」 「おちびちゃんにも、ばっじさんがほしいよ!おちびちゃんもかいゆっくりのばっじさんがほしいよ。」 水浴びか。なるほど、こいつ等が饅頭のくせにカビないのは不思議だったが、やはり不潔にしておくのはよろしくないといったところか。 こっちとしても軒下にサッカーボール大のカビ饅頭があるのは気分が悪い。自分たちで清潔にしてもらおうか。 あとは・・・ん?おちびちゃん・・・にも? ・・・・・・妙に馴れ馴れしいのも合点がいった。まさか飼われているつもりだったとは。 まあ、使い道がある今となっては都合がよくもあったが。 「水は、そうだな。このタライに水を入れといてやる。勝手に使え。」 「ゆっくりー!」 「それと・・・バッジねぇ。ああ、あれでいいか。」 持ってきたのは、私が中学生時代に学生服につけていた、襟章だった。 鈍く銀色に光る襟章、どうせこいつ等がバッジとやらを活用する日は来ないのだから、これで十分だ。 リボンに乱暴にネジ式の襟章を突き刺して固定すると、赤色の中に鈍く光る銀色は、思いのほかしっくりときた。 「ゆわーい!ゆっくちちたばっじしゃんだー!」 「ゆぅぅ、よがっだねぇ、よがっだねぇぇえ、おぢびじゃぁぁああん。」 喜んでもらって何よりである。この調子で雑草むしりと生ゴミ処理を頑張ってもらいたいものだ。 翌日には、縁側下のコンポストの近くに「おといれ」と称してうんうん用の穴も掘っていた。 生活の場に排泄物を置いておくのはやはり嫌なのか。だが、これはこちらとしても都合がよかった。 このうんうんという排泄物については、定期的に土と雑草に混ぜて花壇の肥料にしている。 なかなか良質なようで、しかも採集の手間も要らないしありがたいものだ。 「ゆーん、おにーさん。おといれのおそうじしてくれてありがとう。」 「うんうんがなくなっちぇ、ゆっくちできりゅよ。」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− こうしてれいむ親子がコンポストとなった数日後、家の庭に最近ご無沙汰だった来客が来た。 「ねこさんだぁぁあああ!ゆっくりできないぃぃぃ!!」 「ゆぴぃぃ、おきゃあしゃんこわいよぉぉ!」 「ん、ああ、トラか。久しぶり。」 生垣の穴から庭に入ってきたのは、近所で気ままな野良生活を送っている猫だ。 こいつに限らず、我が家を通り道にする猫は多い。 「ゆぁぁぁぁ、おにーさぁぁん。ねこさんこわいよぉぉぉぉ。」 「ゆっくちさせちぇぇぇぇ。」 「・・・嫌なら自分でなんとかしろ。」 「「ゆぅぅぅ、ゆっくりできないよぉ。」」 別にサッカーボールサイズの良くわからん物体にじゃれつく様な、酔狂な猫達でもないが、 町生活でトラウマでもあるのか、度重なる猫の襲撃に、れいむ親子は自分達で何とかすることにしたようだ。 数日後から、徐々にだが、目に見えて生垣の穴がふさがり始めた。 「ゆーえす!ゆーえす!」 「おきゃーしゃん、はっぱしゃんもってきちゃよ。」 「じゃあおちびちゃん、このすきまにはっぱさんをおしこんでね。」 「ゆっくちりきゃいしちゃよ。」 生垣や塀の隙間に、小石を詰め、小枝を刺し、上から土を盛って、また葉っぱや枝を詰める。 近くで見るとやはり幼稚園児の工作の域を出るものではないが、遠目には生垣に溶け込んで見えなくも無い。 何重にもゴミを積み上げているので、強度のほうはちょっと蹴りを入れたくらいでは吹っ飛ばないくらいになっていた。 「これでねこさんはいってこれないね!」 「ゆっくちー。」 「にゅぁ~ん・・・ぐるるる。」 ・・・・・・。 「「どぼぢでねござんはいっでるのぉぉぉおお!?」」 「・・・塀の上からだろ。」 まあ一応は通りにくくなったので、特に頻繁にここに来る数匹以外は入ってくることも無くなり、 多少は平穏になったようだ。 それにしても、なんだか最近庭がきれいになってきた気がする。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 生垣の穴がれいむによってあらかた埋まった数日後、 久しぶりに友人が家まで遊びに来た。 「ゆゆっ!?おにーさんのおともだち?ゆっくりしていってね!」 「ゆっくちしちぇっちぇにぇ。」 「おー、間知由。お前ゆっくり飼ってたんだな。エラい装飾過剰だけど。」 「いや、飼ってないし、あの唐草模様は来たときからだ。俺の趣味じゃない。」 「ふーん。つってもバッジついてんじゃん。」 「ありゃガムだ。」 「え゛・・・。」 「ああ、みかんの皮は庭のポリバケツに放り込んどいてくれ。」 「え?これってこいつらのおうちだろ?」 「いや。コンポスト。」 「んー。・・・え゛ぇ?」 「ゆわーい、おやつだにぇ!ゆっくちありがちょー。」 「むーしゃ、むーしゃ。しあわせー。」 ついでに、夕食の魚の骨も放り込んでおいた。 「ぽりっ、ぽりぽりぽり・・・ゆっくりー!」 「・・・・・ふーむ。」 「どうした?」 「いや。ゆっくりって、案外飼いやすい生き物なのだろうかと思ってな。」 「ただの饅頭だろ。・・・・・・何だよ、その目は。」 「まったく。世の中にはどんだけ愛情注いでも懐かれない奴もいるってのに。」 「そんなもんかね。」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− そして、庭が放置しっぱなしの幽霊屋敷状態から、見違えるようにきれいになった頃、 れいむ達の平穏な毎日に、突然不幸が舞い降りてきた。 「Zzzzzz・・・。」 「すーや、すーや。」 今日は日曜日。おにーさんも日当たりの良い縁側で昼寝中。 れいむ親子も庭に生えた木の木陰でゆっくりと惰眠をむさぼっていた。 そのとき庭に、普段と違う空気が漂う。 「うー。」 「ゆぅ?・・・すーや、すーや。」 「あまあまー。」 「ゆ・・・すーや、すーや。・・・・・・れみりゃだぁぁぁああああ!!!」 庭に突然飛来したのは、本来夜行性のれみりゃ(胴無し)。 庭のすぐ奥にある林は、昼でも薄暗く、たまに昼でも活動するれみりゃが現れたりする。 しかも、このあたりは農家だったこともあり、害ゆ対策として、れみりゃを大量飼育していた時期もあったので、 最近森の奥でしか見なくなったれみりゃ種もチラホラいたりするのだ。 「おちびちゃん、ゆっくりにげるよ!」 「ゆあーん。れみりゃはゆっくちしちぇにぇ。」 ぽよん、ぽよん、と大急ぎでおうちに飛び込むれいむ親子。 れみりゃは追ってこなかった。どうやら助かったようである。 しかし、一つだけ気がかりがあった。 「ゆぅぅぅ、おきゃーしゃん、れみりゃはゆっくちできにゃいよぉ。」 「ゆ!おちびちゃん。ここはおにーさんがつくってくれたおうちだから、れみりゃなんてはいってこれないよ!」 「ゆっくちー。でみょ・・・。」 「おちびちゃん?」 「おにーしゃん、すーやすーやしてたよ?れみりゃにゆっくちひどいことされてにゃい?」 「ゆゆっ!?」 「そろーり!そろーり!」 おにーさんの無事を確かめるべくおうちから慎重に這い出るれいむ。 見つかったら命はないだけに、そろーりそろーりにも力が入る。 そして、れいむは驚愕の姿を目撃した。 「うー!うー!」 「Zzzzzz・・・・、じゃま・・・」 ・・・・・・れみりゃがおにーさんにじゃれていた。 「ゆぁぁぁああああ!おにーさんがたべられるぅぅぅううう!!!」 「うー?」 「やめてねっ!おにーさんをたべないでねっ!れみりゃはゆっくりどっかいってね!!」 ゆっくりしたおにーさんを助けるべく、れいむはれみりゃに立ち向かう。 しかし、口にくわえた木の枝をどれほど振り回しても、空を舞うれみりゃ相手には届かなかった。 「ゆぅ、ゆぅぅ、どうしてとどかないのぉぉ。」 「うー!あまあまー。がぶり。」 「ゆひぃぃぃぃ、れいむのあんこさんすわないでぇぇぇぇ・・・。」 「おきゃあしゃぁぁあん、ゆっくち、れみりゃはゆっくちしちぇぇぇぇ!」 「お、肉まん。」ぱさり。 「うー!うー!」 といったところで目が覚めたおにーさん。 玉網を使ってあっさりとれみりゃを捕獲したのであった。 それにしても、生ゴミを処理して肥料を作り、 庭の管理までやってくれた挙句、夕食のおかずをおびき寄せてくれるとは、 つくづく使いでのあるコンポストだ。 つい今さっきまでたっぷり飯を食っていたこの肉まん、中身がが詰まっていてうまそうだな。 「ゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っ」 「おきゃーしゃん、ゆっくちしちぇぇぇぇ。」 ザックザックザック 薄っぺらくなった方のれいむには、中身を詰めなおしてやることにする。 掘り出したのは、「おといれ」とやらになみなみと貯められた餡子。 こいつを、中身の減ったれいむの口からねじ込んでやることにした。 「ゆ゛っ、ゆぼぉっ!おにーざん、やべでぇ、ゆっぐぢでぎなっ!ゆぼっ!」 「おにーしゃん、やめてあげちぇにぇ!おきゃーしゃんがいやがっちぇるよ。」 無視。餡子は餡子だ。多少土が混ざっているが、中に詰めなおしてやれば問題ないだろう。 「ゆ゛っ、ゆっぐぢしていってね。ゆげぇ。」 「やっちゃー!おきゃーしゃん、げんきになっちゃよ。」 「ゆ、ゆぅぅ・・・おにーさん、ありがとぉ・・・。」 「しゅーり、しゅーり、ちあわちぇー!」 ふむ、消耗してはいるが、まだ当分は使えそうだ。 そして、その夜は多すぎて食べきれなかった肉まんの残りを、コンポストに放り込んでやった。 やはり一人暮らしにあのサイズは無茶な話だな。 「ゆわーい。きょうはごちそうだにぇ!」 「ゆーん。きっといっしょにれみりゃをやっつけたから、ごほうびなんだよ。」 「ゆっくち!ゆっくち!」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− そんな生活が、しばらく続いたが、 子れいむが成体にまで大きくなった頃、親れいむの方が死んだ。 あとで調べたが、町の野良の寿命は平均一年かどうかと、大分短いらしい。 我が家に来た時には中古のポンコツだったということか。 「お・・・おにーさん。おちびちゃんを、・・・これからもゆっくりさせてあげてね。」 「特になにも変らんよ。」 「おちびちゃん、・・・ゆっくりしていってね・・・・・・」 「おかーしゃん、おきゃあしゃぁぁぁあああん!!!すーりすーりしてね、ぺーろぺーろしてねぇぇえええ!!!」 リボンは子れいむの方が欲しがったのでくれてやり、死体のほうはぐちゃぐちゃにすり潰して肥料にした。 花壇の花も元気に育つことだろう。 「おかーさん。おはなさんになったんだね。」 「まあそうとも言えるな。」 「ゆっくりしていってね。おかーさん。」 まあ、そんなことはどうでも良かったのだが、少し問題が生じてきた。 コンポストの、生ごみ処理能力が落ちてしまったのだ。 「ゆぅぅ~。さびしいよぉ。」 「おちびちゃんがほしいよぉ。」 「すーりすーりしたいよぉ。」 どうも孤独な生活と発情期が重なって、ノイローゼ状態になったらしい。 頭数が減ったうえ、どうにも食欲が無い。庭の雑草もまた伸び始めてきた。 これは、新しいゆっくりを取ってくる必要がありそうだな。 その日、夕食の生ゴミをコンポストに放り込みながら、 れいむにつがいを探してやる、と言った時のれいむの喜びようは大変なものだった。 体が溶ける寸前まで水浴びをして、リボンのしわ一つ一つまで丹念にあんよでつぶして伸ばしていく。 コンポスト内の清掃も丹念に行い、 さらに子供が出来た後のために、花やイモ虫、果物の皮などのごちそうから保存食の干し草まで貯めこむ。 にんっしん中のベッドまで葉っぱと草を使って作り終えて、準備万端でその日を迎えた。 約束の日、私はれいむを連れて街を歩き、れいむ的に「すっごくゆっくりしてる」まりさを手に入れた。 この白黒饅頭、帽子にアイロンをかけた形跡もわずかにあり、恐らくバッジを引きちぎったのであろう傷痕も見られる。 飼われていたというなら、それなりの躾もされているのだろう。好都合だ。 「ゆふん!そんなにまりさをかいたかったら、かわせてやってもいいのぜ。」 「ゆっくり!まりさ、ずっとゆっくりしようね!」 「ゆん!なかなかゆっくりしたれいむだから、とくべつにすっきりしてやってもいいのぜ。」 本人も乗り気のようだから都合よい。つがいにしてやることにして、家に連れていった。 「ゆぅ~ん、まりさ。すーり、すーり。」 「ゆへぇぇ!いいからとっととまむまむをむけるのぜぇ!『ぼよぉぉおん!』」 「『ごろんっ』ゆぅ!?もっとゆっくりしてぇ!」 「しったこっちゃないのぜ!まりさのぺにぺにをおみまいしてやるのぜぇ!!」 ずぼぉっ!ずっぽずっぽずっぽずっぽ・・・ 「ゆぁーん、いだいぃぃぃい!らんぼうすぎるよぉ。もっと、ゆっぐりぃ!」 「ゆっふっ!ゆっゆっゆっゆっゆっゆっすっきりぃぃぃいいい!」 「ずっぎりぃぃ。」 とりあえずれいむの腹が膨れてきたので、予定どおりにいったようだ。 「ひどいよまりさ・・・」 「ゆふぅ。ひとしごとおわっておなかがすいたのぜ。にんげんさん、とっととごはんをもってくるんだぜ!」 「その辺のを適当に食え。」 「ゆゆ!?なにいってるのぜ。ゆっくりふーどさんなんて、どこにもないのぜ。」 「草があるだろ。」 「な・・・なにいってるのぜぇぇ!くささんはごはんじゃないのぜ! ふーどさんがないならけーきさんでもいいのぜ!はやくもってくるのぜ、くそじじぃ!」 「ゆぅ。なにいってるの?おにーさんにあやまってね。くささんはおいしいよ。むーしゃむーしゃ。」 「ゆぎぃぃぃいい!もういいのぜ!はやくおうちにいれるのぜ!べっどですーやすーやするのぜ!」 「そこに家ならあるだろ。」 「な・・・なにいってるのぜぇ!これはごみばこさんなのぜ!くさくてきたないのぜ!」 「ひ、ひどいよまりさ!おにーさんがれいむにくれた、ゆっくりできるおうちだよ! それに、れいむがいっしょうけんめいおそうじしたんだよ!ゆっくりあやまってね!」 「・・・いいよ別に。文句があるなら勝手に出ていけば。」 「ゆふん!まったく、ばかなじじぃとゆっくりしてないごみれいむのほうが、このおうちからでていくのぜ! ゆっくりしたまりささまが、とくべつにこのおうちをつかってやるのぜ!」 「ふーん・・・。れいむ、どうやら一緒に暮らすのは無理そうだが。」 「ゆぅぅぅぅ・・・ゆっくりできないまりさだよぉ。」 とりあえず、私が家から追い出されるのは嫌なので、ゆっくりしたまりささまとやらは、門から丁重に出て行ってもらった。 あれだけ態度がでかいと、野良をやっていくのも大変だろうに、大したものだ。 しかし、ゆっくりと言っても、コンポスト向きのとそうでないのがいるのかもしれない。 黒帽子がダメなのか、飼われていたのがダメなのか、まあ、どうでもいいことだ。 れいむの腹にいるちび共の中に黒帽子がいたら、それもはっきりするだろう。 つがいこそいなくなったものの、孤独を埋めるという当初の目的は達成されたようである。 それから数匹分の食欲を発揮し始めたれいむは、3週間後、無事れいむ種一匹とまりさ種一匹を出産した。 赤ゆっくりが腹から射出される勢いには驚いたが、庭は柔らかい芝生であったのが幸いしたのか、 せっかくれいむが作っていた草のクッションから1m以上離れて着地したものの、つぶれることはなかった。 「「ゆっくちしちぇっちぇにぇ!!!」」 「ゆっくりしていってね!ゆぅーん、ぺーろぺーろ、おちびちゃんたちかわいいよぉ。」 これで、コンポストの方は今後も安泰そうだ。 母れいむがチビ共にもバッジが欲しいとか言ってきたので、画鋲のカサの部分をセメダインでくっつけておく。金バッジだ。 これで満足して生ゴミを処理してくれるのだから、安上がりなものだ。 ちなみに、ゆっくりしたまりささまに出て行ってもらってから二日後、門の前にみすぼらしく、 帽子もかぶっていないまりさ種が一匹転がっていた。 「やっばりがっでぐだざぃぃ・・・おねがいじばずぅ。」 とか言っていたが、ゆっくりを飼う趣味などないので、無視しておいた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− それからしばらくは、コンポストとしても庭の芝生管理としても特に問題はなかった。 ピンポン玉サイズの子供たちでは、成体一匹分の処理能力を補えるかと、多少不安ではあったが、 どうやら、成長中のチビ共の方が食欲は旺盛らしく、生ゴミは毎日順調に処理され、肥料になっていった。 黒帽子の方も特に文句を言わず、生ゴミをムシャムシャ食らい、庭をぽよんぽよんと跳ねまわっている。 やはりあの態度は、育ちが問題だったようだ。 だが、赤ゆっくり達が産まれてから一月ほどたち、そろそろ冬の近づきを肌で感じ始めた頃、 またしてもコンポストの性能が低下してきた。 朝、コンポストの中をのぞいてみると、まだ昨日の生ゴミが残っている。 さらにその奥では、歯をガチガチと鳴らしながら、目の下にクマをつくったれいむ一家がいた。 「お、おおお、おにーさん、おうちがさむいよぉぉぉ・・。ねむれないよぉぉ・・。」 「しゃむくてゆっくちできにゃいぃぃぃ。」 「ごはんしゃんつめちゃいよ。むーちゃ、むーちゃ、しょれなりー。」 コンポストはれいむ達なりにきっちり入口を塞いでいるが、やはり所詮はポリバケツ。 まだ昼間は温かいが、壁一枚隔てた向こうの、夜の寒気を完全に防ぐことはできないようだ。 この時期でこれでは、冬の間はコンポストの機能が完全に停止しかねない。 家に入れるという選択肢はもちろんないが、 本格的にコンポストの改造を行う必要がありそうだ。 その日の昼、れいむ一家に『たからもの』とか言う小石や押し花や、ガムの付いたリボンらしきゴミをコンポストから出させると、 大規模な改装に取り掛かった。 まずは、ポリバケツを掘り出して、横倒しにすると天井になる、壁の一部を四角く切り抜く。 それに、ちょうつがいと留め金をつけて、外から開けるようにした。 ゆっくりは、冬には巣の入り口を密閉するらしいので、生ゴミの投入口をつけてやったわけだ。 次にバケツの入口、つまりゆっくりの出入り口だが、せいぜい直径30cm程度のゆっくりに対しては大きすぎる。 壊れたすのこを材料にして、ドーナツ状の板をつくり、バケツの口に取り付けてやった。 これでゆっくりの出入り口は、必要最低限の大きさになり、 木の枝などで塞ぐ手間も、寒気の吹き込む隙間もぐっと減るはずだ。 あとは、再び縁側の下にポリバケツを埋めなおし、これまではむき出しだった側面にまで土をこんもりと盛っておく。 外から見ると、生ゴミの投入口と、ゆっくりの出入り口だけ穴のあいた、砂場の砂山のような外観となる。 縁側の下なので、雨風で盛り上げた土が崩れる心配は無い。 地下は冬でも暖かいというので、これで断熱は十分だろう。 数十分の作業中、庭で遊ばせていたれいむ一家を呼び寄せた時の反応は、 以前コンポストを、はじめてつくった時以上のものであった。 「ゆ、ゆ、ゆ、ゆわぁぁぁぁああい!すっごくゆっくりしたおうちだよぉぉおおお!」 「ゆっくち!ゆっくちー!れいみゅたち、こんなゆっくちしたおうちにしゅんでいいにょ!?」 「ゆわーい!なかもあっちゃかいよー!ゆっくちー!」 「ふーい、疲れた。あとはこいつでも中に敷いとけ。」 「ゆぅぅぅぅうう!しゅごーい!ゆっくちちたおふとんしゃんだー!」 「おにぃさん、ありがと、う、ゆぇぇぇええん!」 「おきゃーしゃん、ないちぇるにょ?どっかいちゃいにょ?ゆっくちしちぇにぇ。」 「おちびちゃぁぁあん!れいむはうれしくってないてるんだよぉ。ゆっくりー、ゆっくりー!」 近所の農家から頂いてきた干し藁をひと束くれてやっただけだが。 とりあえず、この反応からして、今後はまたコンポストとして元気にやってくれそうだ。 こちらはやることやったので、あとのメンテはこいつ等がかってにやってくれればいい。 かつて母れいむと一緒に野良生活を送っていた頃、れいむには夢があった。 温かくて、雨の心配も、風の恐怖も感じないですむおうち。 毎日お腹いっぱい食べられるだけのごはん。 しかも、そのごはんを手に入れるために、命の危険など感じずにすむゆっくりプレイス。 外敵の心配もないそのゆっくりプレイスで、 ゆっくりしたおちびちゃん達とすーりすーりしたり、のーびのーびしたり、 おうたをうたったり、水浴びですっきりーしながら、毎日ひたすらゆっくりする。 夜になったら、ゆっくりしたおうちに帰り、ふかふかのおふとんの中で、 家族で肌を寄せ合ってすーやすーやする。 たまにはあまあまが食べられたら言うことはない。 これが、れいむのかつて夢見たすべてであった。 そして、今、この場所には、れいむが望んだもの全てがあった。 全てのゆっくりが追い求め、そして見つけることの出来なかった場所、ゆっくりプレイス。 だが、れいむにとってのそれは、人間さんがコンポスト、と呼ぶこの場所に、確かに存在していたのだった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「ゆっくりー!」 「すーり、すーり、しあわせー。」 「すーり、すーり、・・・ゆっ、ゆっ、ゆっ」 「ゆふぅん、だめだよまりさぁ。ゆふぅ、ゆふぅーん!」 れいむ親子が初めて我が家のコンポストとなって2年。 結局外部から新たなゆっくりを連れてくる必要はなくなった。 こいつらは、家族以外のゆっくりがいないとなると、姉妹同士でつがいを作り続け、今はすでに4世代目である。 今はこれまた姉妹である、れいむとまりさのつがいがコンポストとして活躍している。 それと、最近は花壇の世話もめんどくさくなったので、街でゲッソリしていたゆうか種も一匹拾って庭に住まわせている。 最初はコンポストの連中が花を勝手に食う、食わないでもめた時期もあったが、 群れでもない以上大した量を食われることもなく、しかも花の肥料がコンポスト産だということもあり、 それなりの折り合いをつけることで落ち着いている。 「「すっきりー!」」 などと思っているところで、また増えるつもりのようだ。 れいむの頭ににょきにょきと生えたツタには赤れいむが3に赤まりさが2。 まあ、構わない。どうせ代替わりが激しいゆっくりである。 うっかり病死などしないうちに子供を作ってもらわなければ余計な手間だ。 それに増えすぎるようなら何個か潰して肥料にするだけ。 庭もすっかり華やかになって、もう幽霊屋敷の頃の面影は残っていない。 「おはよーございます。」 「ああ、農場の。おはよう。」 最近ついにこの辺も、のうかりん農場化が進み始めた。 生垣の向こうから挨拶してきたのうかりんも、そこの従業員である。 「とってもゆっくりした庭ですね。きれい。」 「まあ、ゆうかが一匹でやってるんだがね。」 「うふふ。それは失礼しました。でも、それ以上に・・・あなたの飼われているゆっくり達。」 「?」 「とってもゆっくりしてますね。今までたくさん飼いゆっくりを見ましたけど、一番ゆっくりしてますよ。」 「ふーん。そんなもんかね。」 同じゆっくりである、あののうかりんが言っているなら正しいのだろう。 よくわからんが、この2年間で一つだけ確信したことがある。 こいつらには、コンポストという仕事が向いている、ということだ。
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『れいむ』 18KB 愛で 制裁 愛情 飼いゆ 野良ゆ 赤ゆ 子ゆ ゲス 現代 試しに愛でてみた ・登場人物は一人と三匹だけです。 ・一応愛でのつもり ・でもせいっさい! ・10KBくらいにしたかった…… れいむはついさっき生まれたばかりだった。 しかし、その表情は曇っていた。 「おちょしゃん……おきゃしゃん……」 いるはずの両親を探す。しかし、四方八方上下左右の全てを見回しても家族はいなかった。 あるのは何か黒い柱と、その上に自分がさっきまでいた茎、そして黒ずんだ姉妹がいた。 「ひっぐ、ひっぐ……ゆぴゃぁぁああああああああ!!! ゆっぐちしたいよぉぉおおおおおおおおおおお!!!!」 ついにれいむは泣き出してしまった。無理も無い事であろう。 すると、何か物音がした。 れいむが振り返るとそこにはれいむより高いところに大きな頭があった。 「ゆ、ゆぴゃぁ!! きょわい……ゆ?」 高所から見下ろされる恐怖に泣き出すところだったが、暖かくて優しい何かが自らを触れた事で落ち着いた。 それは大きな頭がのっかっている台だった。 いや、台ではない。生物の身体である。 僅かだけ継承された記憶があるれいむは、それが生物の一部である事をなんとなく理解した。 「だ、だれにゃの? れいみゅのおきゃあしゃんは? おとおしゃんは?」 恐る恐る聞く。 大きな生物は困ったという顔をした。 「ごめんよ、僕にもわからないんだ。 ただ、気付いたら僕の家の前に君の成っている茎が落ちていてね」 嘘は言っていないようだった。 そして、この生物はれいむの命の恩人であるという事がわかった。 「れいみゅの、いもうちょたちは?」 「それもごめんよ、急いで準備はしたんだけど、君以外はもう手遅れだったんだ」 れいむが助かったのは、茎の根に一番近かったからだった。 他の姉妹は、栄養供給が間に合わなかった。れいむの一個前の姉妹も、もう少しと言うところで力尽きてしまったらしい。 現在、れいむは親から受け継ぐはずの記憶が極端に薄い。 知っているだろう知識もあまりなく、自分がれいむという種である事以外は動物的本能しか備わっていない。 それはおそらく、茎が出来てから間も経たぬうちに折られたせいだろう。 大きな生物……人間の男が用意した市販の餡子で代用したせいで、親から受けるべき記憶を含む餡子が継承されず、ほぼ白紙に近い状態となったらしい。 記憶の継承がないせいで、親がどんなゆっくりかもわからない。 れいむがれいむである以上、片方はれいむであろう。 姉妹は種がわかる前に死んでしまったようで、そこから推測する事は出来ない。 「れいむ、さしでがましいけれど、もしよければ僕の子として生活しないか? まぁ、飼いゆっくりと飼い主という間柄にはなるけど」 「かいゆっくち?」 「そう。まぁ簡単に言えば家族になろう、ということなんだけど」 男は伺いを立てる。 れいむの答えは決まっている。いや、それ以外にない。 「なりゅ! れいみゅ、『かいぬし』しゃんの『かいゆっくち』になりゅ!」 それを聞いた男は笑顔になる。 「ああ、よろしくれいむ。ゆっくりしていってね」 「ゆぅ? ゆっくちちていっちぇね?」 「そう、君たちゆっくりの挨拶だよ。さ、言ってみて。ゆっくりしていってね」 「ゆっくちちていっちぇね!」 「そうだ、上手だぞーれいむ」 「ゆっくち! ゆっくち!」 はじめて聞く言葉だったが、れいむはその言葉を言い合うだけでとても気分よく……そう、ゆっくりできた。 れいむが生まれて少し経った。 飼い主は少し厳しいながらもれいむにもわかる愛情を与えてくれている。 れいむはそれに応えたくてよく無茶をするようになった。 「ゆぴゃあああ!!」 「ああもう、だから動き回っちゃだめだと言ったのに」 今回は飼い主について回って仕事を貰おうとしたら、床においてあった油や醤油のボトルにぶつかった。 「だっちぇ、かいぬししゃんのおてちゅだいが……」 「それはれいむがもっと大きくなってからな。怪我しないか心配する身にもなってくれ」 「ゆぅう、わかっちゃよ」 れいむは活動的で落ち着きが少しばかり足りていなかったが、聞き分けはとてもよかった。 ほぼ白紙だったせいだろうか、難しい事でなければ教えればすぐに覚えたし、覚えれば忘れはしなかった。 ゆっくりは何か特別な事が無い限り飾りをはずすのを極端に嫌がるが、それもこのれいむは抵抗が無く、よく洗いに出している。 そんあれいむも赤子言葉が抜け、子供サイズとなったある日、飼い主の家の窓に大きめのゆっくりが二匹やってきて喚いていた。 「かいぬしさん、なんだかれいむににてるいきものさんがいるよ」 「あーなにかうるさいと思ったら野良ゆっくりか」 「のらゆっくり?」 れいむは今の今まで自分の同族を見た事がなかった。 飼い主が言うには、野良というのは基本的に人間に良いものではないらしい。 基本的に、というからには一部は違うのだろうと思ったが、外の野良ゆっくりは多分悪い方だろうなと思う。 「野良は人の家に上がって『おうち宣言』と言ってその家をのっとろうとするのさ」 「それはゆるせないね」 「だからまぁ、いろいろ対策もあるらしいんだが」 飼い主はとりあえず入り込まれないように板を用意してから窓を開けた。 すると大声を張り上げた。 「ここはれいむとまりさの――」 「ゆっくりしていってね!!」 「ゆっくりしていってね!」 何かを言い終わる前に飼い主はゆっくりの代名詞である台詞を言う。 これを言われるとほとんどのゆっくりは反射的に応えてしまうのだという。 「ここは僕とこのれいむのゆっくりプレイスだよ、れいむとまりさはゆっくりしないで出て行ってね」 おうち宣言される前におうち宣言をしてしまう。対策法の一種である。 「そのおちびちゃんはれいむのおちびちゃんだよ! だからここはれいむのゆっくりぷれいすなんだよ!!」 予想もしない反論だった。 飼い主も同じ面持ちだ。 「どういうことだい?」 飼い主は問いただす。 「そのこはれいむとまりさがすっきりー!してできたこなんだぜ! だからこのいえはまりさのゆくりぷれいすなんだぜ!!」 飼い主は呆れた。言ってる事が何一つ変わっていないのだ。 すると、れいむが一応距離を置いた位置から質問する。 「にひきがれいむのりょうしんなの?」 普通ゆっくりは同族を「人」で数えるらしいが、このれいむは飼い主から自身の数え方は「匹」と教わっている。 その程度の違いは、目の前の二匹にはあまり関係ない話だが。 「そうなんだぜ。まりさとれいむじゃおちびちゃんをそだてられそうにないから、にんげんにそだてさせることにしたんだぜ」 ゆふん、と胸を張るように仰け反る親まりさ。 「にんげんにしてはよくやってくれたよ。おちびちゃん、こんなにんげんはさっさとせいっさいしてやって、おかあさんとゆっくりしようね!」 れいむを救った人間をコケにする親れいむ。 前にテレビで見た、別の鳥の巣に自分の巣の卵を置いて育てさせる方法と同じなんだろうとれいむは理解した。 れいむは飼い主を見る。 「僕はこいつらを家に入れるつもりは無いよ。もしもれいむがこいつらと行きたいというなら無理強いはしない。 本当かどうかはどうあれ、もしもその方がゆっくりできそうだというなら、それでもいい」 飼い主は冷静だ。 飼い主がこの二匹に倒されるなどと言う事は万に一つも無いだろうというのはれいむにはわかっている。 しかし、こいつらは自身を自分たちの子であるという。 たしかに、極々僅かながらにそんな気がしないでもない、という気持ちがある。 多分これは親なんだろう。 「ゆ? それにしてもおちびちゃんがすくないね! かくれてないででてきてね! すぐでいいよ!」 れいむは他にも子供がいるんだろうと喚く。 おそらく茎に成っていた残り三匹の姉妹の事を言ってるんだろう。 「悪いけど、あの子たちは死んじゃったよ。栄養が足りなくてね。 せめてもう少し栄養が与えられていればね……」 飼い主は心底残念そうに事実を伝える。 すると二匹の汚い表情が更に醜悪になった。 「れいむのおちびちゃんをころしたなああああ!!! なんでちゃんとせわできないのぉぉぉおおおお!!?」 「ゆるせないんだぜ、このゆっくりごろし!!!!!!」 れいむは驚いた。 言っていることの意味がわからなくて驚いた。 飼い主はそのまま放置したって構わない自分と姉妹を、律儀に世話しようとしてくれていたのだ。 結果的に姉妹は死んでしまったが、この場合罵倒されるべきは栄養もままならない我が子を、いつ来るか知れない人間に任せようとした自分たちであるだろうに。 「おちびちゃん、はやくこっちにきてね! このゆっくりごろしはゆっくりできないよ!」 「おいにんげん、さっさとこのじゃまなものをどかすんだぜ! おちびちゃんははやくこんなゆっくりごろしのにんげんからはなれるんだぜ!」 れいむは決心した。 「おまえたちみたいなのはれいむのおやなんかじゃないよ」 こんな礼儀も身の程も弁えない者とは一緒にいたくはない。 例え生まれた時は恋焦がれた親だとしても、こんな醜悪な存在には近付きたくは無い。 「どぼじでぞんなごどいうのぉぉぉおお!!!!」 もう見るに耐えない泣きっ面。 れいむは気持ちが悪くなった。 そんなれいむを飼い主は優しく手に包んで持ち上げていた。 「ゆっくりわかったんだぜ! おちびちゃんはにんげんにせんのうされたんだぜ! ゆるせないんだぜ!!」 洗脳……されてないとは言い切れないだろう。 現にれいむはゆっくりらしさが少々乏しい。 餡子が繋がって生まれたゆっくりならば、『ゆっくり』という言葉を様々な意味で使う。 たとえば『ゆっくりりかいしたよ!』や『ゆっくりいそいでね!』などだ。 これらは『よくわかった』、『はやくして』という意味になるゆっくり独特の言葉だ。 だがれいむにはそれがない。 更にれいむは飾りへの執着もまったくと言っていいほど無い。 飼い主がこっちの方がいい、といえば別の飾りを躊躇無くつけられるだろう。 だが、そもそもを正せばそれはこの親がしっかりと餡子の記憶を分け与えなかったからだ。 だかられいむははっきりろいう。 「れいむはこのかいぬしさんのかぞくだよ! おまえたちみたいなのがおやだなんて、しんじられないよ! いもうとたちをころしたゆっくりころし? ばかいわないでよね! かいぬしさんがいなかったらいまごろれいむもしんでたよ! そもそもおまえたちがあんなことしなかったら、いもうとたちだってしなずにすんだんだよ! でも、こんなおやのもとでそだったら、おそかれはやかれしんじゃってたかもね!」 れいむは生まれて初めて他者を罵倒した。 それはとても『ゆっくりできない』ことだった。 罵倒するれいむの表情は暗い。一言言うだけでとても気分が悪い。 こんなゆっくりできない言葉を何も感じずに言い続けられる目の前の野良ゆっくりの頭の中がわからない。 「ゆ、ッぎぃいいいいいいいいいいいいい!!!!!」 れいむが言い終えて一間空け、突然親れいむは奇声を上げた。 「ばりざあああああ! あんなのはれいぶのおじびじゃんじゃない! あんなくずざっざどづぶぜええええええ!!!!!」 「いわれるまでもないんだぜ! だまってきいてればすきほうだいいってくれたんだぜ! うんでやったおんをあだでかえすようなゆっくりできないがきはせいっさい!してやるんだぜえええ!!!」 れいむは涙を流した。 わかっていながらも、ここまで汚いものが親だとは思いたくなかった。 こんなものから産まれた自分。さっきもこいつらと同じような事を言った自分。 そんな自分を、飼い主は軽蔑してしまっただろう。 「それがお前の答えでいいんだな」 そっと、飼い主の手がれいむを包む。 生まれたばかりの頃と同じ、とても暖かくて気持ち良い……そう、これこそが親の温もりだ。 「ぶぼぉ!?」 飼い主は飛びかかろうとしたまりさを叩き落とし、れいむともども外へ放り投げた。 「ゆぶぇ?!」 「ぶびょる!」 顔面から地面に落ちる。幸いな事に歯はほとんど折れていないようだった。 飼い主はれいむをそっとテーブルの上に乗せて外に出た。 「このまま帰るっていうなら何もしないけど?」 飼い主は一応、れいむの親であることも考えて、出来るだけ穏便に事を済ませたい。 さすがに目の前で殺処分などできるはずもない。 こんなのでも同族、しかも親が殺されるところなど、優しいれいむは見たくないだろう。 「ふざげるなぁぁぁあ……まりざがまげるはずないんだぜぇえええ……。 いままでだで、にんげんはまりざがとおるどみちをあけてにげていっでだんだぜぇぇ……!」 それはただ汚いおまえたちに近付きたくないからだろう、と言おうかと思ったがやめた。 おそらく無駄だろう。 この手のゆっくりは言葉を喋るだけで会話は通じないものだ。 相手にするだけ心身に悪い。 そもそもれいむほど会話が成り立つゆっくりはそういない。 飼い主は溜め息をついてまりさとれいむを捕まえる。 「ゆぐぃいいいい! いだいいいいい! はなぜええええええええええ!!」 「はなぜ! せいっざいじでやるがらはなぜええええ!!!」 もう聞く耳は持たない。 飼い主は別にゆっくりを痛めつける趣味は無い。だから殺生をするつもりはない。 飼い主は窓を閉める。 れいむには、こいつらをもう会えないくらい遠くに捨ててくると行って待たせる。 飼い主は三重にしたゴミ袋に二匹をぶちこみ、ダンボール詰めにした後、近くの山へ車で行って二匹を投げ捨ててきた。 二匹は最後まで悪態をついて追いかけてきたが、ゆっくりに人間が、ましてや車に追いつけるはずも無かった。 山に捨てたのは、街で人間に殺される頃の無いように、というせめてもの情けだった。 帰ってみるとれいむは大分消沈していた。 無理も無い。あのような醜悪な存在が親だと知ったのだ。ショックも大きいだろう。 飼い主は何も言わず、ただれいむをやさしく手に乗せてゆっくりとなで続けた。 れいむも、温もりに包まれながらまどろみの中に意識を落としていった。 暫く後、大人と呼ぶに相応しいまでに大きくなったれいむは、今日は飼い主のために庭で草むしりをしていた。 あれから公園デビューを果たして友達も得た。 飼い主との仲も良好で、今れいむは本当に『ゆっくりしている』。 ふと、玄関の方で物音がした。 れいむは飼い主の言いつけどおり、いつでも逃げられるよう準備をしつつその音の正体を探りに行った。 そこには―― 「お、おじび、ぢゃん……」 「ゆっぐ、ゆっぐじざぜろぉ……」 いつぞやの野良ゆっくりがいた。 「なにかようでもあるの?」 「おぢびぢゃん、おがあざんを、ゆっぐりざぜで……」 みすぼらしい姿だが、これがあの日、自分の親だといったゆっくりだというのは理解できた。 なんと酷い姿だろう。髪は大分抜け落ちて禿げ上がり、片目は無くなって飾りはボロボロだ。 大分古い傷も多い。よく生きていられたと感心してしまうくらいだった。 だが、抱いた感想はそれだけ。 れいむは二匹の存在そのもには無関心だった。 「いやだよ。かいぬしさんにいわれてるよ、のらのゆっくりはきけんなばあいもあるからかいぬしさんがいるばあいいがいはちかづくなって。 だかられいむにちかよらないで、『ゆっくりしないで』さっさとどこかにいってね」 「ご、ごのげずはぁぁぁ、うんでやっだおんもわずれでぇぇぇ……!!!」 「うんでやったおん? すてられて『ゆっくりできなく』なりかけたのはしってるけど、おんをうられたおぼえはないよ」 「ばりざどでいぶがいながっだらおばえはうばれで――」 「それをしんじゃったいもうとたちにもいえるの? うまれるまえに、ほかでもないおまえたちのせいで『ゆっくりできずに』しんだいもうとたちに」 「それはあのにんげ――」 「おぼえてないんだろうからもういちどいうけど、かいぬしさんがいなかったられいむはしんでたよ。 おまえたちはかいぬしさんにおれいをいうたちばなのに、せきにんをなすりつけるなんて『ゆっくりしてない』ね」 ゆっくりできない、ゆっくりしてない、ゆっくりが最も嫌うという言葉で責め立てる。 もうれいむに目の前のゆっくりを親と思う気持ちは無い。 れいむの親は飼い主である男性だ。 彼も、れいむにそう思ってもらえることをとてもよろこんでいる。 だかられいむは、目の前のゆっくりには何も思わない。そこらに転がる石と同じにしか見ていない。 二匹はれいむが自分たちを見る冷たい目に恐怖した。 その目は、人間たちが自分たちを見る目と同じなのだ。 汚らしい汚物を見るような目。邪魔だと言って蹴り飛ばしたあの目。近付いてきて唾を吐きかけたあの目。 あの『ゆっくりできない』目と同じ目で見ているのだ。 あれだけゆっくりできない道を長い時間をかけてやってきたのも、すべてはこの家を、れいむを盾に手に入れる事。 しかし、許しを請えば子供として迎えてやろうと思っていたれいむに、遥か下の存在であると目で言われてしまった。 二匹は絶望した。 そして、もう感情の糸が切れ、れいむを襲い殺そうとしたその時―― 「ゆが?!」 「おぶぅ!」 二匹は何かに捕まり、いつぞやのように三重に重ねた大きなゴミ袋の中に放り込まれ、更に物置前のゴミ箱に投げ込まれた。 「れいむ、大事無いか?」 「だいじょうぶだよ。ゆっくりごめんなさい、いいつけをやぶって、のらにちかづいちゃったよ……」 「気にするな、れいむがとどめておいてくれなかったら進入されてたかもしれないからな」 この家の主、れいむの飼い主が帰ってきた。 飼い主はさっきの二匹がおそらくれいむの親だというのは気付いている。 それを承知でれいむに聞いた。 「あいつら、どうする?」 「かいゆっくりやにんげんさんにきがいをくわえそうなのらゆっくりは『さつしょぶん』するんだよ」 「れいむ、いいのか?」 「いいもわるいもないよ。それにれいむのおやはかいぬしさんだけだからね!」 満面の笑顔。そこに嘘はない。 れいむは本当にあの二匹を親とは思っていない。 飼い主はそれを聞いて、安心した、と言い、ゴミ箱から二匹の入ったゴミ袋を取り出す。 「ゆぐ、ぐぞにんげん……ご、ごろじでやる……!」 「ぜいっ……さい、だよ……!」 飼い主を確認した二匹は、まだなお汚い言葉を吐き続ける。 飼い主はそれに一切耳を貸さずにゴミ袋の口を持ち、地面に置く。 そして足を振りかざす。 「ゆ?! ゆあああ! やべで、やべでええええええええええ!!!!」 「やべるんだぜ! やべ、やめ、やべじぇええええ!!!!」 ただの鳴き声。そして泣き声。 もうそんなものは届いてはいない。 「やめぶべ?! ばぶぉ、ぎゅが! じにだぐべ、ないびゃ!!!!」 「ぐぞにんげぶぉ! やじゃべ?! ごべんなざぶう! ゆるびゅで!!?!?」 飼い主は黙々とゴミ袋を潰していく。 さすがに大人となったゆっくりを潰すとなると袋一枚程度では敗れてしまう可能性がある。 聞くところによるとゆっくりの中身はゆっくりにしかわからない臭いがするという。 そんな臭いがついたものを近くに残してれいむにいやな思いはさせたくない。 だから家から出て踏み潰した。 一分ほど満遍なく踏み潰し、袋がピクリとも動かなくなったのを確認して飼い主はゆっくり専用のゴミ回収箱に袋を捨てた。 これでもうれいむをおびやかすものはなくなった。 正直、まさか本当に戻ってくるとは思わなかった。 飼い主はれいむを抱き抱えて庭の片隅へ行く。 そこには小さな山があった。 れいむの姉妹の墓である。 今日はこの姉妹たちの命日であり、れいむが産まれた日。 飼い主はれいむの姉妹たちを救えなかった事を謝罪し、そのかわりにれいむだけはしっかり天寿を全うするまで育てると墓前に誓った。 「かいぬしさん、『なでなで』してほしいよ!」 「ああれいむ、今日はお前の誕生日だからな。お願い事は何でも聞いてやろう。 おまえの大好きなものも今日はいっぱい――――」 れいむは幸せだった。 生まれはたしかに不幸だったかもしれない。 しかし、今はこうして幸せに生きている。 その事に関しては、あの親と名乗っていた野良ゆっくりに感謝の意を感じてはいた。 もしもあの時、真っ当に更正していたのならば、例えみすぼらしい姿であっても、受け入れていいとも思っていた。 飼い主はれいむを甘いと言っていたが、それだからこそれいむだ、とも言った。 れいむはこの後六年の間、飼い主からの愛情をたくさん受け、とても『ゆっくりした』笑顔で天寿を全うした。 その遺骸は、亡き姉妹と同じ場所のすぐとなりに、丁重に葬られた。 終 ダメ!ぜんぜん生かせない! オチがどうしてもしっくりきません。どうしたらいいんでしょう。 愛したいのに愛しきれない! ボキャブラリの問題以前……なれないことしないでゆ虐してろってことなんでしょうかね。 anko1241 ゆっくり教材Vol.1『野良に憧れるれいむ』 anko1257 ゆっくり教材Vol.2『大人になれないまりさ』 anko1272 ゆっくり教材Vol.3『ゆっくりありすの注意点』 anko2390 ゆっくり教材Vol.4『ゆっくりぱちゅりーの弱さ』 anko1246 特集『ゆっくりに脅かされる農家』 anko2426 ゆっくり研究所 anko2430 ああ、無情。 anko2433 ゆっくりは繰り返す anko2439 ゆっくりがいる日常。 anko2421 生きてるのは知ってるけどそれが何か? anko4106 ゆっくり教材Vol.5『ペットとちぇんと野良と飼い主』
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注意 HENTAI注意! 独自設定あり ぺにまむ描写あり 普通のゆっくりは登場しません 金曜日の夜、俺はウキウキしながら帰路についていた。 カミさんと3歳のおちびはカミさんの実家に帰っている。 仲が良かった高校の同級生の結婚式があるからだ。おちびもそこで披露するらしい。 つまり、この週末はアパートに俺1人きりなのだ! 独身の時以来の久々の自由! これがウキウキせずにいつウキウキするんだ! よし! デリヘルを呼ぼう! …お金ないっす。バレたら死亡確定だし、 バレなくてもこの先1か月はおにぎりのみの生活になってしまう。 しゃーない。AVでも借りるか。 俺はレンタルビデオショップへと急いだ。 レンタルビデオショップで制服JKものを物色しているとき、 目の端にこの場にふさわしくないものが目に入った。 ゆっくりれいむ? 俺は左右を見渡した。れいむがAVコーナーに迷い込んだのか? 違った。 AVコーナーの一角。上部に「HENTAIコーナー」と書かれた場所にれいむはいた。 レンタルDVDのパッケージだった。 タイトル「23万円する最高級れいむとヤッてみた!」 …… まてまてまて! 23万? 俺の小遣い何か月分だよ? もう大卒の初任給じゃん! ヤルってヤルだよな? ゆっくりとヤッちゃうのかよっ! てか突っ込みどころが多すぎるよっ! パッケージを手に取る俺。 最高級れいむが籐の椅子の上でにこやかに笑っている。 胴つきとHENTAIするっていうのは聞いたことがあるが、 このれいむは胴なしれいむだ。 しかしこのゆっくり、他と違う感じが…。 なんていうか、気品があるというか、お嬢様っていうか、一言でいえば、 『ゆっくりしている』 いや、れいむは良く見るよ。 たまに道端で絡まれる野良や、友人の飼いゆっくりでれいむは見る。 そういう普通のれいむとは、まーったく違う。 まあ、23万円のインパクトもあるのかもしれないが。 裏面を見てみる。さっきのれいむが頬を赤く染めて上の方を見ている。 そしてそのそばには、成人男性のものと思われる裸足の脚部のひざから下が写っている。 れいむの視線は、男性の脚より上… うん。オープンって感じだな。 驚くべきことにこのDVDは同じのが他に、2の4の6の…9枚ある。 しかも、他の9枚ともレンタル中だ。人気なんだなぁ。 このHENTAIコーナー。他にもDVDがある。 「頂上対決! 阿藤貴VSでいぶ」「昏睡レイ○―野獣と化したありす」 色々あるもんだなあ。 …… 超高級れいむに興味があるだけなんだからねっ。 HENTAIなんかじゃないんだからねっ。 そこのところ勘違いしないでよねっ。 俺は、制服JKものの下にDVDを隠すと、レジに持っていくのだった。 途中で明日の朝食用のコッペパンを買うため、スーパーに寄る。 食べ物コーナーにて、食用れいむが特売されていた。 食用ゆっくり― 食べる用のゆっくりが、某ハンバーガーショップのナゲットのソースみたいな容器に入っている。 中では、ラムネガスによって眠らされたゆっくりがいる。 端っこをぺりっとめくると、ガスが抜け、ゆっくりが起きてくる。 大抵、そのまま料理に使われるが、もちろん普通にペットとしても扱える。 しかし、賞味期限=生きられる期間で、大抵1週間ぐらいである。 食事はせず、うんうんもしーしーもすっきりもしない。だから普通のゆっくりよりかは寿命が短い。 まあ、食材がうんこしてどうするんだっていう感じだからこれはこれでいいのだが。 餡子を食べたければ、普通の大福でも買えばいいわけで、 この食用ゆっくりの特長は、飼いやすさもあり、一人暮らしの人間に好評である。 金曜日の帰りに買い、週末を一緒に過ごし、日曜の夜か月曜の朝に食べる。 また、子供に食べることは命を貰って食べることを教えるための教材とする親子もいるらしい。 うちのおちびにはちょっと早いか。 ある考えを思いつき、2つばかり購入する。 コッペパンの他に、ビールを何本か買い自宅に戻る。 家には当然、誰もいなかった。 「ここを俺のゆっくりぷれいすにするよ!」とひとりごちる。 うーむ、今日はなんだかテンションが高めだ。きっと久々の自由のせいだね! カミさんが用意してくれていた夕食を食べ、お風呂に入る。 さっぱりして出たあとは、ビール片手にDVDタイムだ。 DVDデッキに迷わず超高級れいむのを入れる。 注意書きが表示されている間にふと思う。 そいや、今日スーパーで飼ったのも同じれいむ種だな。 あいつらにこれ見せてみようかな。 冷蔵庫を開けると入れたばかりの食用れいむを取り出し、 TVの前のテーブルの上にタオルを敷き、そこでまずは1匹目のパッケージを開ける。 ペリッ 「ゆっくりしちぇっちぇにぇ!」 おう、ゆっくり! もう1匹開ける。 ペリッ 「ゆっくりしちぇっちぇにぇ!」 おう、ゆっくりゆっくり! 「ゆっくりしちぇっちぇにぇ!」 最初のれいむも答える。 「ゆゆ? れいみゅはれいみゅだよ。ゆっくりしちぇっちぇにぇ!」 「れいみゅもれいみゅだよ。ゆっくりしちぇっちぇにぇ!」 TVがメニュー表示になっていたので、ALLPLAYで決定を押す。 すると画面は、ゆっくりショップであろう店内の様子を写しだしていた。 しばらく動いていたが、あるれいむのところでカメラの動きが止まる。 主役の超高級れいむだ。右下の値段が229800円になっている。 う~む、意外と家電量販店みたいだな。 「にんげんしゃんが、れいみゅたちをたべてくれるんでしゅか?」 おう、そうだ。 「れいみゅたちをよろしくにぇ!」 おう! ゆっくりしてってね! 「「ゆっくりしてってね!」」 食用ゆっくりは、初めから自分たちが食べられることを知っている。 さて、画面は籐椅子の上に置かれた超高級れいむを写していた。 インタビューワーがれいむにいろいろ質問している。 俺は目の前にいる2匹のれいむに話かける。 れいむたち、むこうをみてくれ。あのれいむをどう思う? 「「!!」」 TVの方を向いたれいむ達が固まる。 「しゅ、しゅぎょきゅゆっくりしちぇるよ!」 「れいみゅ、あのれいみゅみたくなりちゃいよ!」 やっぱり人間と同じ評価か。 まあ、寿命が短い君たちでは無理だろうが。 インタビューは続く。加工所出身でもう1人の親はありすらしい。 どことなく感じた気品は、そのせいだろうか。 しゃべり方も、野良やそこいらの飼いゆっくりとは違い、 普通に丁寧にしゃべる他、謙譲語なども巧みに使う。 俺なんかいまだに怪しいぞ、そのへん。 インタビューワーが「くだけた口調でいいよ。」というと、 「わかったよ!」と普通のゆっくりの言葉になる。 対応力も抜群だ。 野菜が人間が育てることを理解し、人間と共にゆっくりしたいと願っている。 インタビューワーのことを飼い主だと思っているのか、 ゆくゆくはおちびちゃんについて話し合いたいとも言っている。 超高級れいむからおちびちゃんについての説明があった。 このれいむ、すりすり型や交尾型すっきりでは妊娠はせず、 連絡すると加工所から貰えるタブレットを飲んだ場合のみ妊娠するらしい。 なるほど、野良とのすっきりを予防しているわけだ。 飼いゆっくりと飼い主とのトラブルNO1がおちびちゃん関連であるらしいから、 超高級れいむともなると当然といったところか。 後でネットで調べたのだが、 超高級れいむと子供について、まずはれいむと飼い主と話し合って子供の種類と数を決める。 その結果を加工所に伝えると、無料でタブレット、通称おちびちゃんの素がもらえる。 例えば、れいむ種が1匹、まりさ種が1匹だったら、 加工所から、れいむの素を1つ、まりさの素を1つを貰ってれいむに飲ませる。 すると動物型妊娠し、やがて指定された種類のゆっくりが生まれる。 このゆっくりは、れいむと同じく超高級なんだそうだ。 食用れいむ達はというと、 「れいみゅさんはゆっくりしちぇるにぇ。」 「ゆっくり、ゆっくり!」 上機嫌である。 さて、そんなこんなしているうちに、男性が新たにフレームインしてきた。 インタビューワーは友人と紹介している。 その友人?はれいむをゆっくりした口調で 「君はとてもゆっくりしてるね」と褒めた。 超高級れいむはにっこりほほ笑むと「ありがとうございます。」と答えた。 ちなみに友人?の顔にはモザイクがかかっている。 それを見た食用れいむ達は 「ゆゆゆ? あのにんげんしゃんはおめめしゃんがないよ!」 「おくちしゃんもにゃいよ。きょわいよー」 と怖がっていた。 ちなみに食用ゆっくりは、移動力が普通のゆっくりの10分の1だ。 ほぼ、歩けない。まあ、食材が逃げても困るし、こんなもんだろう。 そこからその友人?の動きはすごかった。 いわゆるHENTAI行為に及ぶ過程がすごく自然だった。 もはや、友人?ではない。男優である。 ゆっくりとヤるくらいだから、強引にコトに及ぶのかなと思いきや、そんなことは全くない。 完全に超高級れいむは合意して、男優を受け入れている。 HENTAI行為は進んでいく。 俺はそれを見ても特に感じることはない。 値段が高くてしゃべるオナホを使ったオナニーを見ているぐらいの感覚だ。 それよりかは断然面白いのが、食用れいむ達の反応だ。 男優が超高級れいむをペタペタ触り始めたときは、 「きょんにゃにゆっきゅりしちゃれいむを きちゃにゃいてでしゃわるにゃ!」 「れいみゅ、ぷきゅーしゅりゅよ、ぷきゅー!」 と怒りをあらわにした。 さらに行為が進み、超高級れいむが受け入れた時は、 「やめちぇにぇ! れいみゅがわりゅいきょでちた。ごめんにゃしゃい! だきゃらゆるちてあげてにぇ。」 「………」 片方は何故か謝り、片方は何も言わなくなった。 さらに進むと、 「ゆんやー。ゆんやー。」 片方は顔を上に向け泣きじゃくっていた。 もう片方はというと、テーブルの上に置きっぱなしだった湯呑の陰に隠れている。 隠れているのだが、影からこっそりTVをみている。 俺は黙って湯呑を取り上げ、れいむをTVの方を向くように手で固定する。 最初は嫌がっていたのだが、そのうちTVに見入るようになった。 泣いているれいむの涙を指でふき取ってあげる。 そしてもう一方のれいむを見た時に、あることに気が付いた。 じっと見入るれいむの口から下、3ミリぐらいの場所だろうか、ちょこんと突起している。 これっていわゆるアレだよな? ためしに、指先でそっと触れてみる。れいむは目をつむって体をピクンとさせた。 俺はビールの酔いも手伝って悪乗りをする。 指につばをつけ、突起物をやさしくなでる。 えーかー えーかー えーのんかー はい。セクハラモード入りました。 れいむは目をつむり顔を上気させ、ピクンピクンとさせる。 ここで俺はふと正気に戻った。 やべーやべー。 HENTAIの門を叩いちまった。 うん、酔いのせいだな。 やめるとれいむは残念そうにしていた。 カミさんのいない間にゆっくりと浮気とか、離婚確実だな! そうこうするうちにDVDは終わる。 泣いていたれいむは泣きつかれたのかすーやすや眠っていて、 もう片方は、なんだかぽーっとしている。 俺は2匹をタッパーにつめると冷蔵庫にしまう。 食用ゆっくりは気温が一定以下になると自動的に睡眠をするシステムになっている。 俺は自分の部屋に入るとベッドに横たわった。 ビールのせいもあり、すぐに寝ることができた。 土曜日―― 二度寝から覚めると8時半だった。 二度寝なんて久しぶりである。 休日でも大抵、朝食が片付かないという理由で7時半にはカミさんに起こされる。 結婚した当初は優しかったんだけどなぁ。 朝食の準備をする。前日買っていたカレーパンと、れいむ入りコッペパンを食べる。 冷蔵庫からタッパーを取り出す。二匹入れようかと思ったが、 昨日のリアクションが面白かったので、昨日泣いていたれいむのみ取り出す。 「ゆっくりしてってね。」 おう、ゆっくり! 「おしょりゃを…」 そのまま、コッペパンの中に挟む。 そして、俺はれいむに話しかける。 今からお前を食べる。おいしく食べてやるからな。 「わきゃっちゃよ。しゃあ、おたべなさい!」 れいむは2つに割れると絶命した。 食用ゆっくりはこのように、人間に食べられるときは、自らお食べなさいをして命を絶つようにできている。 俺はれいむを薄く延ばし、端から端まで行きとどくようにし、コッペパンを食べる。 うん、んまい。全体に餡子なんだが、ときどき来る歯ごたえがまたよい。 おそらく歯だった部分だろうか。 リボンも外して食べることもできる。だが、俺はリボンごと食べる派である。 ごちそうさま。 朝食を終えると、インターネットで色々調べる。 まずは超高級れいむのこと。 加工所にて餡操作をし、人間に合ったゆっくりだそうだ。 人間が不快に思うことはいっさいやらないらしい。 他のゆっくりにとっても「すごくゆっくりしているゆっくり」だそうで、 野良からいじめられることもないらしい。 流石は23万。 ただ、ゆっくり愛好家の中では、 「もはや、こいつはゆっくりではない」という否定派も少なからずおり、 好みは分かれるらしい。 俺はあることを決意すると、昼時にレンタルビデオ屋に昨日のDVDを返しにいった。 まずは、借りていた2枚のDVDを返す。 (結局、制服JKは見ずに返した) そして、新たなに様々なDVDを借りる。 また、スーパーで色々買って、自宅に戻る。 買ってきたのはまずは、食用ゆっくりバラエティパック。 れいむ、まりさ、ちぇん、ありす、ぱちゅりーの5種類が入っている。 それを買ってきた透明なケースにすべて開ける。 例の決まり文句とともに、5匹ともパッケージから出てくる。 俺はこの5匹を、明日の夜まで飼うつもりである。 まあ、カミさん達が帰ってくるまでに全部食べる予定だが。 俺はこの週末をゆっくりと過ごす週末とする。 まずは、スーパーで買ってきた弁当を食べながら、DVDをゆっくり達とみる。 まず最初にプレイヤーに入れたのは「必殺!仕事ゆん」である。 ストーリーは平和に暮らしていた、 ちぇんとらんの一家が、ゲスたちに虐殺されてしまう。 偶然生き残った1匹のちぇんが、噂で聞いた、仕事ゆんたちに復讐を依頼し、 仕事ゆんたちが色々な手を使って、ちぇんの家族の仇を取っていくというものだ。 一家が虐殺されてしまうシーンでは、 ゆっくりたちは、ゆんやーゆんやーと泣いたり、えれえれと吐いてしまったり。 また、仕事ゆんであるみょんが、 ゲスのリーダーである、ゲスまりさの中枢餡をはくろーけんで一刺しにするシーンでは、 ゆっくりたちは、すごく喜んだり、うれし泣きしたり。 ここでは、ちぇんがとてもいいリアクションをしてくれた。 同じ種族のちぇんが依頼ゆんであったのもあるだろう。 「にゃんで、みんなえいえんにゆっきゅりしゃしちゃうんだよー、わきゃらにゃいよー!」 「きょんにゃげしゅは、ゆっきゅりしちぇにゃいにぇ…」 「あ、ちぇんが1ゆんだけ、いきのこっちぇるね! よきゃったよー」 「しぎょちょゆんは、とちぇもゆっきゅりしちぇるにぇ。わきゃりゅよー!」 時には泣いたり、ぴょんぴょん跳ねたり。面白いもんだ。 次は、「社会で働く様々なゆっくり」 現代社会で働く、ゆっくり達を集めたDVDである。 これに関しては、ゆっくりにとって面白くないのか、寝ているゆっくりがほとんどだったが、 ただ、ぱちゅりーだけは、興味津々で見入っていた。 「むきゅ。ゆうかはおはなさんをしょだてるのが、とくいなのにぇ。」 「にとりはおこめさんをそだてるのに、やくにたっちぇるのにぇ。」 「しんきは、おちびちゃんをそだてるしごとをしちぇるのにぇ。」 そうこうしているうちに3時になった。 俺はホットケーキを作り、それに使うためにちぇんとぱちゅりーを手に取る。 待てよ。ホットケーキに餡子と生クリームって合うんじゃないか? そう思うと、ちぇんを戻し、代わりにれいむを手に取る。 ホットケーキの上に、2匹を乗せる。 今からお前たちをホットケーキとして食べる。おいしく食べるぞ。 「ゆっくりりきゃいしちゃよ。おたべなさい!」 「むきゅ、ゆっくりたべっちぇっちぇね。おたべなさい!」 2匹は、餡子と生クリームになった。 それをホットケーキの上で広げ、もう1枚のホットケーキで挟む。 よし、餡子と生クリーム入りホットケーキだ。 味もなかなかイケる。どら焼きっぽい。 ごちそうさま。 しかし、甘いものばかり食べているなぁ。お腹周りが心配だ。 残るは、まりさとありす、ちぇんだけになった。 この時間は、俺が前から見たかった映画を見る。 香港のカンフー映画だ。 これも活動的なまりさとちぇんが興奮しながら見ていた。 「おししょうしゃんを えいえんにゆっくりさせた このにんげんさんはげすなんだね わきゃるよー。」 「このにんげんさん しゅごいたかいところからおちちゃったよ いたいいたいだよ。」 「にんげんさんの たたかいが はやしゅぎちぇ よくわからないよー。」 「げしゅをやっちゅけたよ! このにんげんさんはゆっくりしちぇるにぇ。」 もちろん、俺も楽しんだ。この人スタント使わないからすごいよなぁ。 それにしても、さっきからありすは、あまりリアクションを取ってくれないなあ。 でも寝ているわけじゃない。TVは見ているのだが、特に目立つリアクションをしてくれないのだ。 こういうの好きじゃないのかな? 夕食を食べ、食後のゆっくりタイムの後は、大人の時間だ。 取り出したDVDは、 「21万円する最高級まりさとヤッてみた!」 「5万円する高級ありすとヤッてみた!」 昨日見た超高級ゆっくりとHENTAI!はシリーズ化されており、 それの第2弾、第3弾だ。 まずはまりさ。れいむより安いのは、性格が「やんちゃ」と固定されているかららしい。 まあそれでも、値段的にはとても手に届かないのだが。 「まりさはまりさだぜ! よろしく、にんげんさん!」 「まりさが、おにいさんをゆっくりさせるのぜ!」 「おにいさん! あそぼうぜ!」 いわゆるだぜまりさである。まりさを飼う人はやはりやんちゃっぽいのを求めているから これはこれでいいのだろう。 勿論、うちのゆっくり達の評価も「しゅぎょくゆっくりとしたまりさ」であり、 今まで普通の言葉で話していたまりさも 「まりさは ゆっくりしちぇるのじぇ!」 「まりしゃも あそびたいのじぇ!」 と、のじぇ言葉を使い始めた。 さてそんな男の子っぽい超高級まりさも、男優(前回と同じ人と思われる)の前では、 女の子っぽくなってしまう。 うちのゆっくりといえば、 ちぇんはアクション映画ではしゃいでいたせいなのか、寝ていた。 思い出してみると、インタビューから寝ていた気がする。 まりさは、 「さっきのまりさは どきょにいったのじぇ?」 「でもこのまりさも おきゃあさんみたくて ゆっくりできるのじぇ」 「こ、これがしゅっきりなのじぇ!?」 超高級まりさの変貌に、別のまりさと入れ替わったと思ったようだ。 そしてありすの様子をうかがおうと、ありすを見てみると… ありすの口の下、突起ができている。しかもそれは昨日見たれいむのより、 二回りほどデカイ。 おおう、ご立派なモン持ちやがって… 生唾をごくりと飲んで見ていると、 「なにか?」 ありすが聞いてきた。 ス、スイマセンデシタ。 気を取り直して3枚目。 「5万円する高級ありすとヤッてみた!」 値段がぐんと落ち、「超」の文字がなくなっている。 理由は、超高級と比べると、すっきりをしてしまうとにんしんっしてしまうからだ。 冒頭のインタビューシーンで、飼い主?さんがありすにある注意を聞かせるシーンがある。 「人間さんとすっきりしちゃダメだよ。人間さんとの子供をにんしんっしてしまうからね。」 「う、うん。ゆっくりりかいしたわ。」 そのあとの展開は今までと同じである。 ただ、飼い主(?)がいなくなるのと、 男優が多少強引にコトをすすめるのが違っている。 そして行為が終わると、ありすのお腹がぽっこり膨れる。 「に、にんげさんとのこどもをにんしんっしちゃったわ。」 ゆっくりの思い込みの強さにより、通常ありえないことも現実に起きてしまう。 さすがは不思議饅頭である。 俺がこのDVDを借りようと思ったのはこの理由だ。 DVDのパッケージに 「人間とすっきりをしてしまうと教えられたありす。だが人間とすっきりしてしまう。 そして、にんしんっしてしまうありす。果たしてその子供は!?」 と書いてあった。 これが興味を引かれずに何に引かれるというのだ! 俺は人間とゆっくりの合いの子を想像する。 胴つきのありすが生まれるのか? むしろ、リアル人間の生首? そりゃこわいなぁ。 いやいや、人間の赤ん坊と赤ゆが生まれるんじゃないの? 興味は尽きない。 ゆっくり達は、ちぇんは寝たまま、まりさは同じような内容に飽きたのか寝始めた。 ありすは相変わらず興味あるのかないのかよくわからないが、 何のリアクションも見せずにTVを見ている。 DVDを見続けると、最後にありすのしゅっさんっの様子が収録されていた。 「ぎぎぎ……おちびちゃん、うまれるわ……」 カメラのあるこちら側にはタオルが置かれている。 ぽーん。「ゆっきゅりしちぇっちぇにぇ!」 ぽーん。「ゆっきゅりしちぇっちぇにぇ!」「ゆっきゅりしちぇっちぇにぇ!」 ぽーん。「ゆっきゅりしちぇっちぇにぇ!」「「ゆっきゅりしちぇっちぇにぇ!」」 ぽーん。「ゆっきゅりしちぇっちぇにぇ!」「「「ゆっきゅりしちぇっちぇにぇ!」」」 うーん。全ゆんありすかぁ。まーそりゃそーだよなー。 赤ゆありす4匹がお互い挨拶をしているところでDVDは終わっている。 果たしてこのありすが、普通のゆっくりと違っていたりするかどうかはわからない。 「にんげんさんも なかなかおもしろいことを かんがえるのにぇ。」 ありすだ。変なゆっくりだなぁ。 DVDを全部見たところで、今日はここまで。 ゆっくり達を冷蔵庫にしまって、お風呂に入ってビール飲んでおやすみなさーい。 日曜日―― 今日はパンに食用ありすを挟んで食べることにする。 おい、ありす、出番だぞ。 「うん? もしかしてありす、たべられるのかしりゃ?」 うん、パンに挟んで食べるぞ。 「そう。なかなかときゃいはな ゆんせいだったわ。さあ、おたべなさい」 ムシャムシャ。美味なり。 ごちそうさま。 DVDを返しつつ、まずはゆっくりショップへ。 超高級れいむを見るためだ。 だが、あるのは50000円前後の高級クラスが最高値で、20万超えはなかった。 店員に聞くと、超高級クラスは都内にいかないとないらしい。 そこまで行くのはめんどくさいので諦めた。 あとはホームセンターや、家電量販店などを冷かして一日を過ごす。 夕方に家に帰り、食用まりさを冷蔵庫から取り出す。 こいつはそのまま食べることにした。 残ったちぇんは、うちのおちびがチョコが好きなのでカミさんに料理してもらえばいいだろう。 おい、まりさ。起きろ! 「あ、にんげんさん。ゆっくりおはようだじぇ!」 もう夕方だけどな。ゆっくりしてってね。 「ゆっくりしてってね!」 単純に食べる宣言をするのも飽きたのでいたずら心を出す。 まずは、帽子を取り上げる。 「ああ、まりしゃのしゅてきなおぼうししゃん。さきにたべるのじぇ?」 おう! 「うう、まりしゃもゆっくりしにゃいで たべてほしのじぇ!」 帽子をちびりちびり食べる。餃子の皮を食べている感じで単独ではそんなにおいしいものではない。 まりさを見てみると、帽子を先に食べられて落ち着かないようだ。 「おぼうししゃんをたべたら、まりしゃもたべてくれるのじぇ?」 どうしよっかなぁ? あとにしようかなぁ? 「えぐ、いじわるしにゃいで、しゅぎゅにたべるのじぇ…」 目から涙がぽろぽろ落ち始める。食用でもおかざりがないと落ち着かないようだ。 時間をかけてたっぷり帽子を食べる。 「きょんどきょそ まりしゃをたべてくりぇるのじぇ?」 あー、お腹いっぱいになっちゃった。お前また後でな。 「しょ、しょんにゃ…えぐっ、えぐっ」 まりさを手に持ちタッパに入れる、と見せかけて口の中にポイ。 口を閉じるが、まだ食べない。 まりさは状況が理解できていないのか、大人しい。 口の中に入れたままでしばらくおいておく。やがて、 「きょきょはどきょなのじぇ?」 舌が甘みを感じた。涙の砂糖水だろうか。 「ゆゆゆ? くらいのじぇ。きょわいのじぇ。」 口を開けてみる。 「あさになったのじぇ! ゆっくりしちぇっちぇにぇ!」 口を閉じる。 「ゆんやー。きくいのは、ゆっきゅりできないのじぇ。」 あまり食べ物で遊ぶのもアレなんで、まりさを頬に寄せ、歯を当てる。 歯にまりさの髪の毛が当たる。 「ゆゆゆ? にゃんだきゃ、いちゃいのじぇ。」 だんだんと歯に力を込める。 「いちゃいいちゃい。にゃにぃこりぇ?」 やがて歯は髪の毛、皮を貫通し、餡子に辿りつく。 「ゆんやー!!! もういやなのじぇ。さあ、おたべなさい。」 普通の餡子になってしまった。一気に食べる。 夜8時。カミさんとおちびが戻ってきた。 おちびは帰ってきたときからウトウトしていたから、 お風呂に入れて、速攻寝かせる。 今はカミさんとお茶と、お土産を食べながら結婚式の話を聞いたところだ。 そういえば、冷蔵庫にチョコがあるから、おちびにでも食べさせてくれ。 「チョコ? 珍しいわね。」 カミさんは冷蔵庫を開けタッパを取り出す。 そのタッパはたしか… 「あれ? れいむじゃない。」 そうだ。おとといの夜買ったれいむだ。すっかり忘れていたなあ。 それも食べていいよ。 「ありがとう。おーい、れいむちゃん。」 カミさんがれいむをタッパから取り出して皿の上に置き呼びかける。 れいむは目を覚まし、キョロキョロと何かを探す。 やがて、俺の姿を見つけると頬を赤らめてこう言う。 「おにいしゃん、また、れいみゅのぺにぺにしゃん、なーでなでしてえ」 そして口の下のちょこんとした突起を俺に見せる。 ファッ!? ビキビキッ。そんな音が聞こえてきた気がした。 「れいむちゃん、どういうことかお姉さんに聞かせてくれるかなぁ?」 掘り下げないでくれっ! 「あのにぇ、きのうのよる、おにいしゃんがれーみゅのぺにぺにしゃんを…」 昨日じゃない、おとといだ。 ってそんなことどうでもいいよっ。説明するなっ。 違う違うんだ。 HENTAIの門を叩いたことは認めよう。 でもそこで引き返してきたんだ。 結果的にピンポンダッシュ的な形になったことは謝る。 謝るから、 野良ゆっくりを見るような目で俺をみないでくれーーーーーーーーーー 実家にUターンや、小遣い減額などの実刑は避けられた。 避けられたのだが、1週間カミさんとおちびから無視しつづけられたことが辛かった。 みんな、食用ゆっくりはちゃんと残さず食べようね。 お兄さんと皆との約束だよ。 選択肢 投票 しあわせー! (1037) それなりー (115) つぎにきたいするよ! (178) このSSに感想を付ける
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注意 HENTAI注意! 独自設定あり ぺにまむ描写あり 普通のゆっくりは登場しません 金曜日の夜、俺はウキウキしながら帰路についていた。 カミさんと3歳のおちびはカミさんの実家に帰っている。 仲が良かった高校の同級生の結婚式があるからだ。おちびもそこで披露するらしい。 つまり、この週末はアパートに俺1人きりなのだ! 独身の時以来の久々の自由! これがウキウキせずにいつウキウキするんだ! よし! デリヘルを呼ぼう! …お金ないっす。バレたら死亡確定だし、 バレなくてもこの先1か月はおにぎりのみの生活になってしまう。 しゃーない。AVでも借りるか。 俺はレンタルビデオショップへと急いだ。 レンタルビデオショップで制服JKものを物色しているとき、 目の端にこの場にふさわしくないものが目に入った。 ゆっくりれいむ? 俺は左右を見渡した。れいむがAVコーナーに迷い込んだのか? 違った。 AVコーナーの一角。上部に「HENTAIコーナー」と書かれた場所にれいむはいた。 レンタルDVDのパッケージだった。 タイトル「23万円する最高級れいむとヤッてみた!」 …… まてまてまて! 23万? 俺の小遣い何か月分だよ? もう大卒の初任給じゃん! ヤルってヤルだよな? ゆっくりとヤッちゃうのかよっ! てか突っ込みどころが多すぎるよっ! パッケージを手に取る俺。 最高級れいむが籐の椅子の上でにこやかに笑っている。 胴つきとHENTAIするっていうのは聞いたことがあるが、 このれいむは胴なしれいむだ。 しかしこのゆっくり、他と違う感じが…。 なんていうか、気品があるというか、お嬢様っていうか、一言でいえば、 『ゆっくりしている』 いや、れいむは良く見るよ。 たまに道端で絡まれる野良や、友人の飼いゆっくりでれいむは見る。 そういう普通のれいむとは、まーったく違う。 まあ、23万円のインパクトもあるのかもしれないが。 裏面を見てみる。さっきのれいむが頬を赤く染めて上の方を見ている。 そしてそのそばには、成人男性のものと思われる裸足の脚部のひざから下が写っている。 れいむの視線は、男性の脚より上… うん。オープンって感じだな。 驚くべきことにこのDVDは同じのが他に、2の4の6の…9枚ある。 しかも、他の9枚ともレンタル中だ。人気なんだなぁ。 このHENTAIコーナー。他にもDVDがある。 「頂上対決! 阿藤貴VSでいぶ」「昏睡レイ○―野獣と化したありす」 色々あるもんだなあ。 …… 超高級れいむに興味があるだけなんだからねっ。 HENTAIなんかじゃないんだからねっ。 そこのところ勘違いしないでよねっ。 俺は、制服JKものの下にDVDを隠すと、レジに持っていくのだった。 途中で明日の朝食用のコッペパンを買うため、スーパーに寄る。 食べ物コーナーにて、食用れいむが特売されていた。 食用ゆっくり― 食べる用のゆっくりが、某ハンバーガーショップのナゲットのソースみたいな容器に入っている。 中では、ラムネガスによって眠らされたゆっくりがいる。 端っこをぺりっとめくると、ガスが抜け、ゆっくりが起きてくる。 大抵、そのまま料理に使われるが、もちろん普通にペットとしても扱える。 しかし、賞味期限=生きられる期間で、大抵1週間ぐらいである。 食事はせず、うんうんもしーしーもすっきりもしない。だから普通のゆっくりよりかは寿命が短い。 まあ、食材がうんこしてどうするんだっていう感じだからこれはこれでいいのだが。 餡子を食べたければ、普通の大福でも買えばいいわけで、 この食用ゆっくりの特長は、飼いやすさもあり、一人暮らしの人間に好評である。 金曜日の帰りに買い、週末を一緒に過ごし、日曜の夜か月曜の朝に食べる。 また、子供に食べることは命を貰って食べることを教えるための教材とする親子もいるらしい。 うちのおちびにはちょっと早いか。 ある考えを思いつき、2つばかり購入する。 コッペパンの他に、ビールを何本か買い自宅に戻る。 家には当然、誰もいなかった。 「ここを俺のゆっくりぷれいすにするよ!」とひとりごちる。 うーむ、今日はなんだかテンションが高めだ。きっと久々の自由のせいだね! カミさんが用意してくれていた夕食を食べ、お風呂に入る。 さっぱりして出たあとは、ビール片手にDVDタイムだ。 DVDデッキに迷わず超高級れいむのを入れる。 注意書きが表示されている間にふと思う。 そいや、今日スーパーで飼ったのも同じれいむ種だな。 あいつらにこれ見せてみようかな。 冷蔵庫を開けると入れたばかりの食用れいむを取り出し、 TVの前のテーブルの上にタオルを敷き、そこでまずは1匹目のパッケージを開ける。 ペリッ 「ゆっくりしちぇっちぇにぇ!」 おう、ゆっくり! もう1匹開ける。 ペリッ 「ゆっくりしちぇっちぇにぇ!」 おう、ゆっくりゆっくり! 「ゆっくりしちぇっちぇにぇ!」 最初のれいむも答える。 「ゆゆ? れいみゅはれいみゅだよ。ゆっくりしちぇっちぇにぇ!」 「れいみゅもれいみゅだよ。ゆっくりしちぇっちぇにぇ!」 TVがメニュー表示になっていたので、ALLPLAYで決定を押す。 すると画面は、ゆっくりショップであろう店内の様子を写しだしていた。 しばらく動いていたが、あるれいむのところでカメラの動きが止まる。 主役の超高級れいむだ。右下の値段が229800円になっている。 う~む、意外と家電量販店みたいだな。 「にんげんしゃんが、れいみゅたちをたべてくれるんでしゅか?」 おう、そうだ。 「れいみゅたちをよろしくにぇ!」 おう! ゆっくりしてってね! 「「ゆっくりしてってね!」」 食用ゆっくりは、初めから自分たちが食べられることを知っている。 さて、画面は籐椅子の上に置かれた超高級れいむを写していた。 インタビューワーがれいむにいろいろ質問している。 俺は目の前にいる2匹のれいむに話かける。 れいむたち、むこうをみてくれ。あのれいむをどう思う? 「「!!」」 TVの方を向いたれいむ達が固まる。 「しゅ、しゅぎょきゅゆっくりしちぇるよ!」 「れいみゅ、あのれいみゅみたくなりちゃいよ!」 やっぱり人間と同じ評価か。 まあ、寿命が短い君たちでは無理だろうが。 インタビューは続く。加工所出身でもう1人の親はありすらしい。 どことなく感じた気品は、そのせいだろうか。 しゃべり方も、野良やそこいらの飼いゆっくりとは違い、 普通に丁寧にしゃべる他、謙譲語なども巧みに使う。 俺なんかいまだに怪しいぞ、そのへん。 インタビューワーが「くだけた口調でいいよ。」というと、 「わかったよ!」と普通のゆっくりの言葉になる。 対応力も抜群だ。 野菜が人間が育てることを理解し、人間と共にゆっくりしたいと願っている。 インタビューワーのことを飼い主だと思っているのか、 ゆくゆくはおちびちゃんについて話し合いたいとも言っている。 超高級れいむからおちびちゃんについての説明があった。 このれいむ、すりすり型や交尾型すっきりでは妊娠はせず、 連絡すると加工所から貰えるタブレットを飲んだ場合のみ妊娠するらしい。 なるほど、野良とのすっきりを予防しているわけだ。 飼いゆっくりと飼い主とのトラブルNO1がおちびちゃん関連であるらしいから、 超高級れいむともなると当然といったところか。 後でネットで調べたのだが、 超高級れいむと子供について、まずはれいむと飼い主と話し合って子供の種類と数を決める。 その結果を加工所に伝えると、無料でタブレット、通称おちびちゃんの素がもらえる。 例えば、れいむ種が1匹、まりさ種が1匹だったら、 加工所から、れいむの素を1つ、まりさの素を1つを貰ってれいむに飲ませる。 すると動物型妊娠し、やがて指定された種類のゆっくりが生まれる。 このゆっくりは、れいむと同じく超高級なんだそうだ。 食用れいむ達はというと、 「れいみゅさんはゆっくりしちぇるにぇ。」 「ゆっくり、ゆっくり!」 上機嫌である。 さて、そんなこんなしているうちに、男性が新たにフレームインしてきた。 インタビューワーは友人と紹介している。 その友人?はれいむをゆっくりした口調で 「君はとてもゆっくりしてるね」と褒めた。 超高級れいむはにっこりほほ笑むと「ありがとうございます。」と答えた。 ちなみに友人?の顔にはモザイクがかかっている。 それを見た食用れいむ達は 「ゆゆゆ? あのにんげんしゃんはおめめしゃんがないよ!」 「おくちしゃんもにゃいよ。きょわいよー」 と怖がっていた。 ちなみに食用ゆっくりは、移動力が普通のゆっくりの10分の1だ。 ほぼ、歩けない。まあ、食材が逃げても困るし、こんなもんだろう。 そこからその友人?の動きはすごかった。 いわゆるHENTAI行為に及ぶ過程がすごく自然だった。 もはや、友人?ではない。男優である。 ゆっくりとヤるくらいだから、強引にコトに及ぶのかなと思いきや、そんなことは全くない。 完全に超高級れいむは合意して、男優を受け入れている。 HENTAI行為は進んでいく。 俺はそれを見ても特に感じることはない。 値段が高くてしゃべるオナホを使ったオナニーを見ているぐらいの感覚だ。 それよりかは断然面白いのが、食用れいむ達の反応だ。 男優が超高級れいむをペタペタ触り始めたときは、 「きょんにゃにゆっきゅりしちゃれいむを きちゃにゃいてでしゃわるにゃ!」 「れいみゅ、ぷきゅーしゅりゅよ、ぷきゅー!」 と怒りをあらわにした。 さらに行為が進み、超高級れいむが受け入れた時は、 「やめちぇにぇ! れいみゅがわりゅいきょでちた。ごめんにゃしゃい! だきゃらゆるちてあげてにぇ。」 「………」 片方は何故か謝り、片方は何も言わなくなった。 さらに進むと、 「ゆんやー。ゆんやー。」 片方は顔を上に向け泣きじゃくっていた。 もう片方はというと、テーブルの上に置きっぱなしだった湯呑の陰に隠れている。 隠れているのだが、影からこっそりTVをみている。 俺は黙って湯呑を取り上げ、れいむをTVの方を向くように手で固定する。 最初は嫌がっていたのだが、そのうちTVに見入るようになった。 泣いているれいむの涙を指でふき取ってあげる。 そしてもう一方のれいむを見た時に、あることに気が付いた。 じっと見入るれいむの口から下、3ミリぐらいの場所だろうか、ちょこんと突起している。 これっていわゆるアレだよな? ためしに、指先でそっと触れてみる。れいむは目をつむって体をピクンとさせた。 俺はビールの酔いも手伝って悪乗りをする。 指につばをつけ、突起物をやさしくなでる。 えーかー えーかー えーのんかー はい。セクハラモード入りました。 れいむは目をつむり顔を上気させ、ピクンピクンとさせる。 ここで俺はふと正気に戻った。 やべーやべー。 HENTAIの門を叩いちまった。 うん、酔いのせいだな。 やめるとれいむは残念そうにしていた。 カミさんのいない間にゆっくりと浮気とか、離婚確実だな! そうこうするうちにDVDは終わる。 泣いていたれいむは泣きつかれたのかすーやすや眠っていて、 もう片方は、なんだかぽーっとしている。 俺は2匹をタッパーにつめると冷蔵庫にしまう。 食用ゆっくりは気温が一定以下になると自動的に睡眠をするシステムになっている。 俺は自分の部屋に入るとベッドに横たわった。 ビールのせいもあり、すぐに寝ることができた。 土曜日―― 二度寝から覚めると8時半だった。 二度寝なんて久しぶりである。 休日でも大抵、朝食が片付かないという理由で7時半にはカミさんに起こされる。 結婚した当初は優しかったんだけどなぁ。 朝食の準備をする。前日買っていたカレーパンと、れいむ入りコッペパンを食べる。 冷蔵庫からタッパーを取り出す。二匹入れようかと思ったが、 昨日のリアクションが面白かったので、昨日泣いていたれいむのみ取り出す。 「ゆっくりしてってね。」 おう、ゆっくり! 「おしょりゃを…」 そのまま、コッペパンの中に挟む。 そして、俺はれいむに話しかける。 今からお前を食べる。おいしく食べてやるからな。 「わきゃっちゃよ。しゃあ、おたべなさい!」 れいむは2つに割れると絶命した。 食用ゆっくりはこのように、人間に食べられるときは、自らお食べなさいをして命を絶つようにできている。 俺はれいむを薄く延ばし、端から端まで行きとどくようにし、コッペパンを食べる。 うん、んまい。全体に餡子なんだが、ときどき来る歯ごたえがまたよい。 おそらく歯だった部分だろうか。 リボンも外して食べることもできる。だが、俺はリボンごと食べる派である。 ごちそうさま。 朝食を終えると、インターネットで色々調べる。 まずは超高級れいむのこと。 加工所にて餡操作をし、人間に合ったゆっくりだそうだ。 人間が不快に思うことはいっさいやらないらしい。 他のゆっくりにとっても「すごくゆっくりしているゆっくり」だそうで、 野良からいじめられることもないらしい。 流石は23万。 ただ、ゆっくり愛好家の中では、 「もはや、こいつはゆっくりではない」という否定派も少なからずおり、 好みは分かれるらしい。 俺はあることを決意すると、昼時にレンタルビデオ屋に昨日のDVDを返しにいった。 まずは、借りていた2枚のDVDを返す。 (結局、制服JKは見ずに返した) そして、新たなに様々なDVDを借りる。 また、スーパーで色々買って、自宅に戻る。 買ってきたのはまずは、食用ゆっくりバラエティパック。 れいむ、まりさ、ちぇん、ありす、ぱちゅりーの5種類が入っている。 それを買ってきた透明なケースにすべて開ける。 例の決まり文句とともに、5匹ともパッケージから出てくる。 俺はこの5匹を、明日の夜まで飼うつもりである。 まあ、カミさん達が帰ってくるまでに全部食べる予定だが。 俺はこの週末をゆっくりと過ごす週末とする。 まずは、スーパーで買ってきた弁当を食べながら、DVDをゆっくり達とみる。 まず最初にプレイヤーに入れたのは「必殺!仕事ゆん」である。 ストーリーは平和に暮らしていた、 ちぇんとらんの一家が、ゲスたちに虐殺されてしまう。 偶然生き残った1匹のちぇんが、噂で聞いた、仕事ゆんたちに復讐を依頼し、 仕事ゆんたちが色々な手を使って、ちぇんの家族の仇を取っていくというものだ。 一家が虐殺されてしまうシーンでは、 ゆっくりたちは、ゆんやーゆんやーと泣いたり、えれえれと吐いてしまったり。 また、仕事ゆんであるみょんが、 ゲスのリーダーである、ゲスまりさの中枢餡をはくろーけんで一刺しにするシーンでは、 ゆっくりたちは、すごく喜んだり、うれし泣きしたり。 ここでは、ちぇんがとてもいいリアクションをしてくれた。 同じ種族のちぇんが依頼ゆんであったのもあるだろう。 「にゃんで、みんなえいえんにゆっきゅりしゃしちゃうんだよー、わきゃらにゃいよー!」 「きょんにゃげしゅは、ゆっきゅりしちぇにゃいにぇ…」 「あ、ちぇんが1ゆんだけ、いきのこっちぇるね! よきゃったよー」 「しぎょちょゆんは、とちぇもゆっきゅりしちぇるにぇ。わきゃりゅよー!」 時には泣いたり、ぴょんぴょん跳ねたり。面白いもんだ。 次は、「社会で働く様々なゆっくり」 現代社会で働く、ゆっくり達を集めたDVDである。 これに関しては、ゆっくりにとって面白くないのか、寝ているゆっくりがほとんどだったが、 ただ、ぱちゅりーだけは、興味津々で見入っていた。 「むきゅ。ゆうかはおはなさんをしょだてるのが、とくいなのにぇ。」 「にとりはおこめさんをそだてるのに、やくにたっちぇるのにぇ。」 「しんきは、おちびちゃんをそだてるしごとをしちぇるのにぇ。」 そうこうしているうちに3時になった。 俺はホットケーキを作り、それに使うためにちぇんとぱちゅりーを手に取る。 待てよ。ホットケーキに餡子と生クリームって合うんじゃないか? そう思うと、ちぇんを戻し、代わりにれいむを手に取る。 ホットケーキの上に、2匹を乗せる。 今からお前たちをホットケーキとして食べる。おいしく食べるぞ。 「ゆっくりりきゃいしちゃよ。おたべなさい!」 「むきゅ、ゆっくりたべっちぇっちぇね。おたべなさい!」 2匹は、餡子と生クリームになった。 それをホットケーキの上で広げ、もう1枚のホットケーキで挟む。 よし、餡子と生クリーム入りホットケーキだ。 味もなかなかイケる。どら焼きっぽい。 ごちそうさま。 しかし、甘いものばかり食べているなぁ。お腹周りが心配だ。 残るは、まりさとありす、ちぇんだけになった。 この時間は、俺が前から見たかった映画を見る。 香港のカンフー映画だ。 これも活動的なまりさとちぇんが興奮しながら見ていた。 「おししょうしゃんを えいえんにゆっくりさせた このにんげんさんはげすなんだね わきゃるよー。」 「このにんげんさん しゅごいたかいところからおちちゃったよ いたいいたいだよ。」 「にんげんさんの たたかいが はやしゅぎちぇ よくわからないよー。」 「げしゅをやっちゅけたよ! このにんげんさんはゆっくりしちぇるにぇ。」 もちろん、俺も楽しんだ。この人スタント使わないからすごいよなぁ。 それにしても、さっきからありすは、あまりリアクションを取ってくれないなあ。 でも寝ているわけじゃない。TVは見ているのだが、特に目立つリアクションをしてくれないのだ。 こういうの好きじゃないのかな? 夕食を食べ、食後のゆっくりタイムの後は、大人の時間だ。 取り出したDVDは、 「21万円する最高級まりさとヤッてみた!」 「5万円する高級ありすとヤッてみた!」 昨日見た超高級ゆっくりとHENTAI!はシリーズ化されており、 それの第2弾、第3弾だ。 まずはまりさ。れいむより安いのは、性格が「やんちゃ」と固定されているかららしい。 まあそれでも、値段的にはとても手に届かないのだが。 「まりさはまりさだぜ! よろしく、にんげんさん!」 「まりさが、おにいさんをゆっくりさせるのぜ!」 「おにいさん! あそぼうぜ!」 いわゆるだぜまりさである。まりさを飼う人はやはりやんちゃっぽいのを求めているから これはこれでいいのだろう。 勿論、うちのゆっくり達の評価も「しゅぎょくゆっくりとしたまりさ」であり、 今まで普通の言葉で話していたまりさも 「まりさは ゆっくりしちぇるのじぇ!」 「まりしゃも あそびたいのじぇ!」 と、のじぇ言葉を使い始めた。 さてそんな男の子っぽい超高級まりさも、男優(前回と同じ人と思われる)の前では、 女の子っぽくなってしまう。 うちのゆっくりといえば、 ちぇんはアクション映画ではしゃいでいたせいなのか、寝ていた。 思い出してみると、インタビューから寝ていた気がする。 まりさは、 「さっきのまりさは どきょにいったのじぇ?」 「でもこのまりさも おきゃあさんみたくて ゆっくりできるのじぇ」 「こ、これがしゅっきりなのじぇ!?」 超高級まりさの変貌に、別のまりさと入れ替わったと思ったようだ。 そしてありすの様子をうかがおうと、ありすを見てみると… ありすの口の下、突起ができている。しかもそれは昨日見たれいむのより、 二回りほどデカイ。 おおう、ご立派なモン持ちやがって… 生唾をごくりと飲んで見ていると、 「なにか?」 ありすが聞いてきた。 ス、スイマセンデシタ。 気を取り直して3枚目。 「5万円する高級ありすとヤッてみた!」 値段がぐんと落ち、「超」の文字がなくなっている。 理由は、超高級と比べると、すっきりをしてしまうとにんしんっしてしまうからだ。 冒頭のインタビューシーンで、飼い主?さんがありすにある注意を聞かせるシーンがある。 「人間さんとすっきりしちゃダメだよ。人間さんとの子供をにんしんっしてしまうからね。」 「う、うん。ゆっくりりかいしたわ。」 そのあとの展開は今までと同じである。 ただ、飼い主(?)がいなくなるのと、 男優が多少強引にコトをすすめるのが違っている。 そして行為が終わると、ありすのお腹がぽっこり膨れる。 「に、にんげさんとのこどもをにんしんっしちゃったわ。」 ゆっくりの思い込みの強さにより、通常ありえないことも現実に起きてしまう。 さすがは不思議饅頭である。 俺がこのDVDを借りようと思ったのはこの理由だ。 DVDのパッケージに 「人間とすっきりをしてしまうと教えられたありす。だが人間とすっきりしてしまう。 そして、にんしんっしてしまうありす。果たしてその子供は!?」 と書いてあった。 これが興味を引かれずに何に引かれるというのだ! 俺は人間とゆっくりの合いの子を想像する。 胴つきのありすが生まれるのか? むしろ、リアル人間の生首? そりゃこわいなぁ。 いやいや、人間の赤ん坊と赤ゆが生まれるんじゃないの? 興味は尽きない。 ゆっくり達は、ちぇんは寝たまま、まりさは同じような内容に飽きたのか寝始めた。 ありすは相変わらず興味あるのかないのかよくわからないが、 何のリアクションも見せずにTVを見ている。 DVDを見続けると、最後にありすのしゅっさんっの様子が収録されていた。 「ぎぎぎ……おちびちゃん、うまれるわ……」 カメラのあるこちら側にはタオルが置かれている。 ぽーん。「ゆっきゅりしちぇっちぇにぇ!」 ぽーん。「ゆっきゅりしちぇっちぇにぇ!」「ゆっきゅりしちぇっちぇにぇ!」 ぽーん。「ゆっきゅりしちぇっちぇにぇ!」「「ゆっきゅりしちぇっちぇにぇ!」」 ぽーん。「ゆっきゅりしちぇっちぇにぇ!」「「「ゆっきゅりしちぇっちぇにぇ!」」」 うーん。全ゆんありすかぁ。まーそりゃそーだよなー。 赤ゆありす4匹がお互い挨拶をしているところでDVDは終わっている。 果たしてこのありすが、普通のゆっくりと違っていたりするかどうかはわからない。 「にんげんさんも なかなかおもしろいことを かんがえるのにぇ。」 ありすだ。変なゆっくりだなぁ。 DVDを全部見たところで、今日はここまで。 ゆっくり達を冷蔵庫にしまって、お風呂に入ってビール飲んでおやすみなさーい。 日曜日―― 今日はパンに食用ありすを挟んで食べることにする。 おい、ありす、出番だぞ。 「うん? もしかしてありす、たべられるのかしりゃ?」 うん、パンに挟んで食べるぞ。 「そう。なかなかときゃいはな ゆんせいだったわ。さあ、おたべなさい」 ムシャムシャ。美味なり。 ごちそうさま。 DVDを返しつつ、まずはゆっくりショップへ。 超高級れいむを見るためだ。 だが、あるのは50000円前後の高級クラスが最高値で、20万超えはなかった。 店員に聞くと、超高級クラスは都内にいかないとないらしい。 そこまで行くのはめんどくさいので諦めた。 あとはホームセンターや、家電量販店などを冷かして一日を過ごす。 夕方に家に帰り、食用まりさを冷蔵庫から取り出す。 こいつはそのまま食べることにした。 残ったちぇんは、うちのおちびがチョコが好きなのでカミさんに料理してもらえばいいだろう。 おい、まりさ。起きろ! 「あ、にんげんさん。ゆっくりおはようだじぇ!」 もう夕方だけどな。ゆっくりしてってね。 「ゆっくりしてってね!」 単純に食べる宣言をするのも飽きたのでいたずら心を出す。 まずは、帽子を取り上げる。 「ああ、まりしゃのしゅてきなおぼうししゃん。さきにたべるのじぇ?」 おう! 「うう、まりしゃもゆっくりしにゃいで たべてほしのじぇ!」 帽子をちびりちびり食べる。餃子の皮を食べている感じで単独ではそんなにおいしいものではない。 まりさを見てみると、帽子を先に食べられて落ち着かないようだ。 「おぼうししゃんをたべたら、まりしゃもたべてくれるのじぇ?」 どうしよっかなぁ? あとにしようかなぁ? 「えぐ、いじわるしにゃいで、しゅぎゅにたべるのじぇ…」 目から涙がぽろぽろ落ち始める。食用でもおかざりがないと落ち着かないようだ。 時間をかけてたっぷり帽子を食べる。 「きょんどきょそ まりしゃをたべてくりぇるのじぇ?」 あー、お腹いっぱいになっちゃった。お前また後でな。 「しょ、しょんにゃ…えぐっ、えぐっ」 まりさを手に持ちタッパに入れる、と見せかけて口の中にポイ。 口を閉じるが、まだ食べない。 まりさは状況が理解できていないのか、大人しい。 口の中に入れたままでしばらくおいておく。やがて、 「きょきょはどきょなのじぇ?」 舌が甘みを感じた。涙の砂糖水だろうか。 「ゆゆゆ? くらいのじぇ。きょわいのじぇ。」 口を開けてみる。 「あさになったのじぇ! ゆっくりしちぇっちぇにぇ!」 口を閉じる。 「ゆんやー。きくいのは、ゆっきゅりできないのじぇ。」 あまり食べ物で遊ぶのもアレなんで、まりさを頬に寄せ、歯を当てる。 歯にまりさの髪の毛が当たる。 「ゆゆゆ? にゃんだきゃ、いちゃいのじぇ。」 だんだんと歯に力を込める。 「いちゃいいちゃい。にゃにぃこりぇ?」 やがて歯は髪の毛、皮を貫通し、餡子に辿りつく。 「ゆんやー!!! もういやなのじぇ。さあ、おたべなさい。」 普通の餡子になってしまった。一気に食べる。 夜8時。カミさんとおちびが戻ってきた。 おちびは帰ってきたときからウトウトしていたから、 お風呂に入れて、速攻寝かせる。 今はカミさんとお茶と、お土産を食べながら結婚式の話を聞いたところだ。 そういえば、冷蔵庫にチョコがあるから、おちびにでも食べさせてくれ。 「チョコ? 珍しいわね。」 カミさんは冷蔵庫を開けタッパを取り出す。 そのタッパはたしか… 「あれ? れいむじゃない。」 そうだ。おとといの夜買ったれいむだ。すっかり忘れていたなあ。 それも食べていいよ。 「ありがとう。おーい、れいむちゃん。」 カミさんがれいむをタッパから取り出して皿の上に置き呼びかける。 れいむは目を覚まし、キョロキョロと何かを探す。 やがて、俺の姿を見つけると頬を赤らめてこう言う。 「おにいしゃん、また、れいみゅのぺにぺにしゃん、なーでなでしてえ」 そして口の下のちょこんとした突起を俺に見せる。 ファッ!? ビキビキッ。そんな音が聞こえてきた気がした。 「れいむちゃん、どういうことかお姉さんに聞かせてくれるかなぁ?」 掘り下げないでくれっ! 「あのにぇ、きのうのよる、おにいしゃんがれーみゅのぺにぺにしゃんを…」 昨日じゃない、おとといだ。 ってそんなことどうでもいいよっ。説明するなっ。 違う違うんだ。 HENTAIの門を叩いたことは認めよう。 でもそこで引き返してきたんだ。 結果的にピンポンダッシュ的な形になったことは謝る。 謝るから、 野良ゆっくりを見るような目で俺をみないでくれーーーーーーーーーー 実家にUターンや、小遣い減額などの実刑は避けられた。 避けられたのだが、1週間カミさんとおちびから無視しつづけられたことが辛かった。 みんな、食用ゆっくりはちゃんと残さず食べようね。 お兄さんと皆との約束だよ。 選択肢 投票 しあわせー! (1163) それなりー (128) つぎにきたいするよ! (194) このSSに感想を付ける
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『野良れいむ』 23KB 虐待 制裁 自業自得 野良ゆ 子ゆ 現代 小ネタ この街の人間は冷たい。 皆生きるのに必死で、他人のことに気を揉んでいる暇などないのだ。 そして生きるのに必死なのはどうやら、人間だけというわけでもないようだ。 「おでがいじばずぅぅぅ!!どうがでいぶをがいゆっぐじにじでぐだざいいぃぃぃいい!!!」 皆死んだような目でそれぞれ何処かへと行きかう大通り。 「おでがいじばずぅぅぅ!!」 一匹の汚らしい野良のゆっくりが、踏み潰されることすら厭わないかのように、人間に擦り寄るようにして懇願を叫んでいた。 大きさはバスケットボールを二回りほど大きくした程度だろうか、しかしどこと無く、 痩せていると表現したら良いだろうか、ハリの無い野良独特のみすぼらしさがあった。 「おでがいじばずぅぅぅ!!どうがぁぁ、どうがでいぶをがいゆっぐじにじでぐだざいいぃぃぃいい!!!」 まずい、そう思ったときには既に遅かった。 一瞬そいつと目が合ってしまったときに、すぐにそっぽを向いて素早く立ち去ればよかったのに、 気付けばそいつは俺の足元にやってきて、泥だらけの身体を俺の足元に擦り付けてきていた。 「おでがいぃぃ…じばずぅうっぅぅう」 鬱陶しい、素直にそう思ってしまう。 所詮こいつも何らかの理由で飼いから捨てられて野良になったか、同じような理由の野良の二世三世といったところだろう。 野生生活も出来ない、上手く生態系に寄生することも出来ないような生物がのうのうと生きていけるような甘い世の中ではないのだ。 「おねがいじばず!!!せめてっ!れいぶはいいでずから、せめておちびちゃんをっ!!!」 そいつは俺の前、俺が後一歩踏み出せば踏み殺してしまうような位置に立ちふさがって、頭を地面にこすり付けて俺に訴えている。 ゆっくり如きの戯言に耳を傾けるつもりなどさらさら無かったのだが、 子供のために自らを犠牲にするという内容に、わずかながら心を動かされてしまう。 少し迷ってから、俺はついにそいつと口をきいてしまった。 「お前の子供を飼って欲しいのか」 「はい!そうです!このままじゃれいむのかわいいおちびちゃんがしんじゃうんでずうぅぅう!!」 れいむは涙と涎で顔をぐしゃぐしゃにしながら答えた。 「そいつはどこに居るんだ」 俺がそう尋ねると、れいむは身体を静かに揺さぶった、するとれいむのぼさぼさの髪の毛の中から、 一匹のゴルフボールより一回り大きいか、という程度の小さな子ゆっくりれいむが姿を現した。 しかしそのれいむは、ひどく衰弱しているようで、足元を眺める形になっている俺の位置からは、 生きているのか死んでいるのか、一瞬では判断出来ないほどだった。 俺は無造作にれいむの頭の上から子れいむを摘み上げて、手のひらにのせる。 「ゆぅ…う…」 すると子れいむは苦しそうに身をよじって、俺の手のひらの上で生きているということを主張した。 けれどやはりそれは酷くか弱く、俺の吐息一つで生命の炎が消えてしまいそうなほどに儚いものだ。 俺は親れいむを見下ろして、静かに言った。 「いいのか、俺がこいつを飼ったとして、もちろん努力はしてみるが、生かしてやれるかどうかはわからないぞ それに、お前とはもう二度と会えないということになる、お前かこいつが死のうが生きようが、一生だ、それでもいいのか」 俺の言葉を聞いて、れいむは涙をぼろぼろと流しながら頷いた。 「いいんでず…れいむにはもうどうずるごどもでぎまぜん…おぢびじゃんをどうかしあわぜにしてあげでくだざい……」 俺は内心驚いていた。 ゆっくりといえば、利己的で、無知で愚鈍でどうしようもない生き物だと思っていた。 けれどこいつは、あまり頭はよさそうではないけれど、子のことを思い自らを省みずに最善の選択をすることが出来たように思う。 そのことに感心した俺は、この子れいむを出来る限り面倒を見てやることを胸に誓った。 「わかった、任せておけ」 「ありがどうございます!!」 俺は小さな子れいむを両手で包み込むようにして、親れいむに背を向けて家路についた。 親れいむは、俺の背中が見えなくなるまで、いつまでもいつまでも俺の背中に感謝の言葉を投げかけ続けていた。 家に帰る途中、俺は小さなゆっくりペットショップに寄って、ゆっくりについて店員に聞いてみることにした。 野良の子だと説明すると、店員は始め困惑していたが、丁寧にゆっくりの初歩的な買い方や、習性について説明してくれた。 どうやら店員によると、この子れいむの衰弱ぶりは、ただの栄養失調らしい。 ついでにと、店員は予防接種を勧めてくれたので、俺は少々財布に痛手ではあったが、今後のことを考えて受けさせることにした。 医者に行って注射でも打つのかと思ったが、小さな錠剤を3粒ほど飲み込ませただけであっさりと終了してしまう。 俺は親切に対応にしてくれた礼に、成体になっても使える程度のゆっくり用のクッションハウスと、 栄養価の高い餌、一人遊び用の小さなおもちゃをそこで購入した。 それから数日、暇な時間を見つけてはれいむに付きっ切りで看病してやると、 すぐにれいむは年相応であろう、子ゆっくりらしい元気を取り戻してくれた。 「おにーさん!れいむとゆっくりあそんでね!」 れいむは俺のことをお兄さんと呼んで、ずいぶん懐いてくれていた。 生き物を飼ったことの無い俺だったが、会話の通じるゆっくりとの相性は悪くなかったようで、 多少のワガママや、融通の利かない部分はあれど、所詮子供かと思えばたいした苦にはならなかった。 一週間もすると、れいむは栄養の高い食事のおかげもあってか、すっかり大きくなって、 野球ボール大の大きさに成長し、元気に外を跳ね回ることが出来るようになった。 いわれなければ、誰もれいむを元野良と気付くことはないだろう、 肌はもちもち、髪の毛はさらさら、声にもハリがあり、すっかり俺の自慢の飼いゆっくりだ。 俺はこの頃、よくれいむと一緒に外を散歩した。 暖かい日差しが心地いい、れいむは俺の少し前をぴょんぴょんと跳ね、 色々なものに興味を惹かれては、あっちへふらふらこっちへふらふらと、ちっとも目が離せない。 けれど俺はそんな無邪気なれいむの姿に心を癒されていた。 しかし俺はこの時、間違いを犯していたことに気付いていなかったのだ。 それから数日後、夜になると家の庭からごそごそと物音がするようになった。 二・三日は気のせいかと思い放置していたのだが、あまりに続くので何事かと不振に思い確かめに行くと、 そこにいたのはあの時俺にれいむを預けた、親れいむだった。 「あ…」 れいむは俺と目があうと、気まずそうな顔をして縮こまった。 「何をしているんだ」 「あ…えと…れいむのおちびちゃんをおそとでみたから…げんきにしてるかなって…」 れいむは目を泳がせながらそんなことを言った。 散歩させていたときにどこからか見ていて、後をつけられたのだろう。 しかし今はそんなことはどうでもよかった、一刻も早くこいつには何処かへ行ってもらわなければならない。 「大丈夫だ、俺がきちんと世話をして幸せに暮らしている、すっかり元気で、もうなにも心配することはない」 「…」 「だからお前はどこかよそへ行け、もうここにはくるな」 「…」 れいむは顔を伏せたまま、庭から一歩も動こうとしなかった。 お互いの間に重たい沈黙が横たわっていた。 子れいむは部屋の奥でクッションベッドの中で寝息を立てていて、俺達のやり取りには気付いていない。 「これ以上居座るなら、野良駆除を依頼することにするぞ、俺が”庭に不振な野良ゆっくりが居るから駆除して欲しい”なんて電話の一つでもかければ 10分もしないうちに職員がやってきてお前を捕まえるだろうな、その後はきっとお前は殺されるだろう」 「…」 「最初に言ったよな、もう子供とは二度と会えないって、俺はもうお前とうちのれいむを会わせる気はない、 お前もそれを承知の上で俺にあいつを託したはずだ」 俺が努めて優しくそういうと、れいむも納得したのか、何も言わず静かにその場を立ち去った。 いま思うと、この時しっかりと駆除の依頼を出しておけばよかった。 たしかに俺は出会った時のれいむの親としての姿勢に共感はしたが、その後のれいむの一生を世話する気などさらさら無かったのだ。 それが一瞬でも甘さを見せてしまったがために、あのれいむにわずかな期待を持たせてしまった。 全てはけじめをつけなかった俺の責任だろう。 次の日、仕事からもどるとリビングの庭に面している窓に、びったりと親れいむが張り付いていた。 中からみるとそれはそれは醜い、汚らしい顔だった。 けれどそいつの子供である俺のれいむは、母親に再会できたことが嬉しいのか、涙を流しながら窓に頬ずりをしていた。 「おかーしゃんだ!おかーしゃん!ゆっくりしていってね!ゆっくり!」 俺が部屋に入っても、気付いていないように、お母さんお母さんと繰り返している。 「れいむ、ただいま」 俺がそういうと、やっと俺が帰ってきたことに気付いたのか、れいむはくるりとこちらを向いて、俺に笑顔を向けた。 「ゆっくりおかえりなさい!おにーさん!ねぇねぇ、おかーしゃんだよ!」 なにがお母さんだよ、なのだろう。 れいむの無知な無垢さに一瞬苛立ちを覚えたが、無理は無い。 母と別れた当時のれいむは死の淵に立たされていて、おそらく俺達の会話など記憶に残っていないのだろう。 れいむはただただ、生き別れた母との再会を喜ぶだけだった。 「ねえおにーさん!れいむ、おかーさんにあいたいよ!あっておはなしがしたい!」 「だめだ」 俺は間をおかずそう言い放った。 れいむにはかわいそうだが、すぐに駆除を依頼しよう、あれはお前の母親じゃない、他人の空似、勘違いだ、そう言い聞かせよう。 そう思いながら電話に手をかけるも、俺は電話番号をプッシュすることが出来なかった。 窓ガラスに必死にへばりついて、決して触れることの出来ない子供に、ほんの少しでも近づこうと思う母親の姿。 そしてそれを素直に喜び、そして自らも会いたいと望む子れいむの無垢な瞳に、俺の情がまたしても揺らいでしまう。 「…仕方ないな…一回だけだぞ」 なにが一回だけだというのだ、一回会わせてどうするというのだ。 俺はその後のことを、少しでも考えただろうか、再び親子を引き離す苦しみを考えたら、安易な決断など出来なかったはずだ。 けれど感動的なドラマに酔ってしまった俺は、子れいむに優しく微笑みかけながら、ゆっくりと窓についているドアを開けた。 「おかーしゃーん!」 子れいむが、元気よく母親に飛びつく。 母れいむは感動のあまりだろうか、無言で近寄り。 ぐじゅっ 「お…おか…おぎゃ…ゆ”っゆ”っ…っ!」 「まったく、れいむをさしおいてしあわせー!になるなんてげすながきだよ!」 俺は目の前で何が起こっているのかよくわからなかった。 「おまえさえいなければれいむはくろうしなくてすんだんだ!おまえがしあわせになってるのになんでれいむはしあわせになれないんだ! れいむはくろうしておまえをうんだのに!おまえをそだてたのに!れいむだってしあわせになるんだ!」 母れいむが、子れいむの上にのしかかり、全体重をかけている。 いくら健康体になった子れいむも、倍以上の体格の親れいむにのしかかられたらひとたまりも無い。 いまや子れいむは、親れいむの足元からはみだしているもみあげをビクリビクリと痙攣させる力しか残っていなかった。 「っ!!!!」 俺は逃避している思考をなんとか取り戻して、親れいむを全力で蹴り飛ばした。 「おそらっゆげぇぇ!!!!」 親れいむは宙を舞って、そのまま重力に引かれて地面にたたきつけられる。 全身を強かに打ちつけられたれいむは、口から餡子をはいて気絶したようだ。 「大丈夫かれいむ!!!!」 「ゆ”っ…ゆぎっ!…っ!ゆぴっ!!!」 子れいむは、身体はぺしゃんこになり、なんとか意識はあるものの、目の焦点はあってなく、 俺の声が果たして聞こえているのかどうか、わからなかった。 「まってろ、すぐに手当てしてやるからな!」 俺は子れいむを抱え上げ、窓を閉めて家に入り、大急ぎで傷の手当てをした。 結果からいうと、子れいむは一命を取り留めることに成功した。 けれどそれは、命を繋いだだけに過ぎず、子れいむは既に壊れてしまっていた。 「ゆぴっ!ゆぴぴぴぴっ!ぴゃうぅううぅ、あーーーーー」 れいむは涎をたらしながら明後日の方向を向いて、延々と意味の無い言語を発し続けていた。 体内の餡子をほとんど漏らしてしまったことももちろんあると思うが、最愛の母の裏切りに心が耐え切れなかったのだろうと思う。 俺はあの親れいむへの怒りよりも、馬鹿なことをした自分への呆れで、無気力状態になってしまっていた。 俺が庭先を見ると、気絶していたれいむはいつの間にか回復していたようで、再び窓に張り付いてきていた。 窓を開けてみると、れいむは何の遠慮もなしに俺の家の中に入り込んできた。 床は泥ですぐに汚れてしまう。 「ゆゆ!おにいさん!おちびがしんじゃったかられいむをかってね!いいでしょ? だってれいむのかわりにおちびをかってくれてたんだもん、おちびがいなくなったられいむをかってくれるよね!」 れいむの物言いに、俺は軽いめまいを覚えた。 やはりゆっくりという生き物は、わからない。 どうして異常なほどポジティブに、自分の都合のいいように捻じ曲げて物事を考えることが出来るのか。 どうしてあの時あんなに必死になっていたはずのわが子への愛を忘れることが出来るのか。 そして、そうやって無防備に入ってきて、俺に殺されることは考えなかったのだろうか。 俺の中の感情がギシギシと音を立てて歪んでいくのがわかるようだった。 この思い上がりも甚だしい糞饅頭に、どうやって思い知らせてやろうか。 「おうちのなかはゆっくりできるね!ここをれいむのゆっくりぷれいすにするよ!ゆっくり~ゆっくり~」 俺が黒い考えに身を落としているときも、れいむは全力で目の前にぶら下がっているだけの幸せを貪るのに必死だった。 「おい、れいむ、こいつを見てどう思う?」 俺はれいむの目の前に、子れいむをつきだしてやった。 「んみゃ~!まっ!ゆちちぃ!ちぃいいいぃい!!」 子れいむははしゃぎながら親れいむにすりよっていく。 跳ねるというよりは、転がるように、這いずるように不気味な動きで近づくそれを、親れいむはもみあげでなぎ払った。 子れいむはころころと転がって、十数センチ動いて失速し、上下反対の状態で静止する。 しかし子れいむはそれが面白かったのか、親に殴られたことに気付いていないのか、ご機嫌できゃっきゃとはしゃいでいた。 「なあに?こんなこれいむはしらないよ、そんなことよりれいむはおなかがへったよ!ぶべぇ!!」 俺はれいむに、れいむが子れいむにそうしたように、思い切り平手打ちを食らわしてやった。 「いだいでじょおぉぉぉおお!!?なにずるのぉぉぉぉぉおおおお!!!」 れいむはすぐに憤慨して、地団太を踏んで怒りをあらわにした。 俺は眉一つ動かさず、れいむに言い放った。 「そいつはお前の子供だよ、わかってるだろ?」 「ゆゆっ?そんなわけないよ、れいむはこんなへんなこしらないよ」 「そうか、別にそれでもいい、とにかくそれはお前の子だ、お前が育てろ」 「どうしてれいむがそんなことしなくちゃいけないのぉぉぉお!!!?」 「いいからやれ、そしてお前がちゃんとそいつを世話するなら、俺もお前を世話してやる」 「ゆゆゆ?なんだそんなことなの?そんなのかんったんっだよ!」 れいむはふふんと俺を小馬鹿にしたように笑って、言った。 俺達が会話をしている隙に、子れいむは親れいむにすりよって、頬をくっつけてぐりぐりと押し付けた。 「ばかはよらないでね!」 れいむは再び子れいむをもみあげではたき飛ばした。 俺はすかさず無言で。れいむが子れいむを殴ったところと同じところを、殴り飛ばしてやった。 「ゆげぇぇぇ!!」 「きゅぴぴぴぴ!」 子れいむがころころと転がる何倍もの速さでれいむは転がっていき、壁にぶつかって倒れこんだ。 「そうそう、言い忘れたけど、お前が子れいむにしたこと、俺はそのままそれをお前にしてやる だからちゃんと世話をすれば世話をしてやるし、そうじゃなければ…わかったな?」 「わがり…ばじだ…」 れいむは目に涙をたっぷりとためて、俺の言葉に返事をした。 子れいむはそのやりとりのことなどわかっていないのだろう、自分の世界に入り込み、いつまでも笑顔だった。 その夜、俺はれいむと子れいむとクッションハウスを外に放り出した。 「どぼぢでこんなごどずるのぉぉぉおお!?おうぢにいれでぇぇぇ!!!」 「お前は元々野良だろう?家なんか無くたって暮らせるはずさ、その子だって元々はそういう生活のはずだ そのクッションはくれてやるから、子供は入れてやれよ、お前は当然外で平気だよな?」 「ゆぎぎぎぎぎ!!!」 子れいむはそんなことはお構い無しに、狂ってしまっても生活リズムは覚えているのか、クッションハウスに入り込んで寝息を立てている。 俺はれいむ達に背を向け、自室で横になった。 次の日の朝、少し早めに起きて庭を覗くと、クッションハウスの中にぎちぎちに詰まって寝息を立てている親れいむと、 外で泣いている子れいむを発見した。 俺は無言でクッションハウスを持ち上げ、入り口を逆さまにしてれいむを地面に落とした。 「ゆべっ!」 クッションハウスは、大きなれいむが無理やり入ったことでよれよれになり、 さらにふわふわだったクッション部分は、れいむの汚れを吸着いてしまいほとんど使い物にならなくなってしまっていた。 餌をやっても、親れいむは目を離すと自分ががっつくばかりで、子れいむに与えようともしない。 俺が監視して、殴りつけてやると、こちらの顔色を伺いながらやっと与えるしまつだ。 その間も親れいむは、狂ってしまった子れいむをどうしても自分の子と認識できないのか、 それともあの日以来、もうれいむの中では子など居ないことになっているのか、子れいむを見る時はいつもしかめっ面で冷たい目をしていた。 3日もたつ頃には、親れいむはすっかり飼い用の餌で太り、 逆に子れいむはところどころに不自然な傷がつき、身体も痩せ、衰弱してしまっていた。 俺が目を離した隙に、乱暴でも働いたのだろう、子れいむはそれでも親れいむと一緒にいたいのか、 親れいむの隙をついては身体を寄せ、跳ね飛ばされていた。 そのころには俺の精神もすっかりやせ細り、子れいむに注いでいたはずの愛情もすっかり消えうせてしまっていた。 いや、正確に言うならば子れいむのことはいまだに好きだったが、もうこの醜いゆっくりという生き物を愛せなくなってしまっていた。 仕事が休みの日、俺は庭先に出て親れいむに再び尋ねた。 「なあお前、その子をどう思う?」 れいむは何の臆面もなしに、俺の目を真っ直ぐ見ていった。 「だかられいむはこんなこしらないよ!こんなへんなこはきらいだよ!」 「そうか、じゃあどうしたい?」 「いなくなってほしいよ!こんなへんなこはゆっくりできないよ!」 「そうか、じゃあやってみろよ」 れいむは俺の言ってることの意味がわからないようだった。 俺はれいむにゆっくりと説明してやる。 「お前がしたいようにすればいい、そいつを好きにすればいいさ」 れいむはすこし考えてから、子れいむに向き直った。 「ゆぴぴぃ!」 子れいむは、親れいむに見つめられて嬉しいのか、焦点の合っていない目を細めて、満面の笑顔で答えた。 ぼよんっ、ぶちり。 親れいむは軽やかに跳ね、そのまま子れいむの上に着地した。 ぼよんっ、ぐちゃ、ぼよんっぐちゃ、ぼよんっぐちゃっ。 何度も何度も、子れいむがただの餡子の塊になっても、何度も何度もれいむはその上でバウンドした。 「ふぅっ、すっきりー!ゆっくりできないこはせいっさいっ!したよ!これでゆっくりできるね!」 「お前は馬鹿だな、本当に」 子れいむが物言わぬ地面の染みになるのをただ見つめていた俺は、重たい腰を上げてれいむに近寄った。 「せいっさいっしたられいむはおなかがへったよ!はやくごはんをもってきてね!」 「はいはい」 「ゆげぇっ!ごぇっ!ぐぇぇ!!」 俺は何度も何度も、死なない程度にれいむの上に足を乗せて踏みつけた、 一通り踏みつけて気絶したの確認してから、俺は子れいむの亡骸を集めて、家に入った。 「おまたせ」 短くそういって、俺はれいむの目の前に餌箱を乱暴に置いた。 「ゆふふ!ちゃんともってきたね!わかればいいんだよ!むーしゃむーしゃするよ!」 れいむはさっき俺に踏まれたことを忘れたのか、俺におびえることも無く俺の差し出したご飯にがっついた。 「ゆゆ~ん、とってもあまあまでおいしいよ!むーしゃむーしゃしあわせ~!」 喋りながら食べるせいで、ぼろぼろと餌は地面にこぼれ、れいむの口の端には租借物がこびりつき、見るに耐えない。 全部食べ終わったのを確認して、俺はふぅとわざとらしいため息をついた。 「あーあ、れいむったらお馬鹿さんだねぇ、俺との約束を忘れたのかな」 「ゆゆ?」 れいむは俺の言葉に反応して、俺を見上げた、知性のかけらも無いすっとぼけた表情で俺を見つめる。 「あのさ、お前をここにおいてやるとき言ったよな、お前の子供にすることを、全部してやるって お前が子供を殺したから、本当は殺してやっても良かったけど、踏んづけるだけにしてやったのに…」 俺はそういいながら部屋に入って、用意してあった小さなシャベルと大き目のビニール袋、それとカッターナイフを持ってもう一度外に出た。 「お前、子供を食ったね」 「ゆゆ?なにいってるの?」 れいむはそういわれても、俺の言葉を理解できないようだった。 俺はさっき与えた餌の中に子れいむの死骸を混ぜていた。 れいむはそれに気付かずに、それも甘くて旨いなどといいながら、食いきった。 なので俺は約束通り、同じことをこいつにしてやらなくてはいけないのだ。 俺はれいむを捕まえて、カッターナイフでまぶたを切り落とした。 「いじゃあああああああ!!!!!」 ゆっくりは痛みに弱い、人間だって卒倒しそうなこの出来事に、 れいむはしーしーや涙や涎やら、とにかく全身から液体をまきちらしながら泣き叫んだ。 「あーあー、かわいそうに、餌だぜ、餌、お前は餌になるんだ」 声はオーバーに演技しながら、しかし表情を変化させずに、カッターでれいむの肌に無数の傷をつけていく。 「ゆがあああああ!!!やべろおおおおおおお!!!」 れいむは必死にもがくも、人間の俺の力に敵うはずも無く、なすすべなく亀裂からは餡子が次々と漏れ出してしまう。 俺は最後にれいむのあんよをそぎ落として、まとめてビニール袋にぶちこんだ。 「ゆ”…っ!ゆ”…っ!」 何度も痛みで気絶し、また痛みで意識を取り戻して、また気を失うのを何度も繰り返しているのか、 むき出しの目玉はぐりぐりと四方八方に視線を飛ばしている。 けれど死んではいない、ショック死されてしまうかとおもったが、期待通りれいむはちゃんと生きていてくれた。 「じゃ、いこうか」 俺はビニール袋の口を縛って、外に繰り出した。 数百メートル歩いたところに、自然公園がある。 ここは野良ゆっくりのたまり場になっていて、何度駆除しても必ず一定数はゆっくりが集まっていることで知られていた。 俺はその中心に立ち、ビニール袋の口をあけた。 すると中からむせ返りそうなほどの甘ったるい匂いが噴出してきて、辺りに漂い始める。 その匂いをかぎつけたのか、遠くにはちらほらと野良ゆっくりが何匹か顔を出してきた。 しかしまだ警戒しているのか、それ以上近寄ろうとはしてこない。 俺は無理やり笑顔を作って、大声でゆっくりに呼びかけた。 「おーい、こっちにおいで、お兄さんがあまあまをあげるよ!」 すると警戒を解いた何匹かのゆっくりが、俺の足元まで近づいてきた。 「あまあまっていったのぜ?はやくよこすのぜ!」 「おにいさん、ありすにもくれるかしら」 「れいむはしんぐるまざーなんだよ!おちびちゃんのためにもれいむにいっぱいちょうだいね!」 群がるゆっくりたちの中に、ビニール袋の中身を少しちぎって、ひょいと投げ入れた。 俺が手を入れたビニール袋は、一々ぶるぶると震えるのだが、誰もそれを気にするものは居ない。 「むーしゃむーしゃ、ししししししあわせぇぇえ!!あまあまだぜ!!」 運よく最初のひとかけらにありつくことができたゆっくりが声を上げた。 すると遠くに居たゆっくりも急いでこちらにやってきて、近くにいたゆっくり達はよりいっそう瞳を輝かせて俺を見つめた。 ああなんて純粋で馬鹿で、そして醜いんだろう。 たぶんこのビニール袋の中身が、さっきまで同族だったなんて気付くやつは、一匹も居ないだろう。 「じゃ、これ全部あげるから、みんなでたのしんでね、ゆっくりしていってね」 『ゆっくりしていってね!』 俺の声に反応して、全員が元気よくそう答える。 俺はその中心に、ビニール袋ごとれいむを投げこんだ。 『!!!!!!!!!!!!!!』 怒号を発しながら、何十匹ものゆっくり達がそこに群がりだす。 もう中心は上も下も無い大騒ぎだ。 「ゆがああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!」 れいむの声だ、俺にははっきりとわかったが、たぶんあいつらはあまあまに夢中で気付いていない。 「やべろおおおおお!!でいぶをたべるなああああ!!!ごっぢにぐるなあああああああああああああああああ!!!!!」 れいむの目はむき出しだ、おそらく自分を喰おうと群がってくる全てのゆっくり達の姿が、見たくなくても見えていることだろう。 俺はそれに背を向けて、ゆっくりと歩き出した。 「ぎいぃぃぃぃいいいいいいいいいい!!!!!!!いやだああああ!!いやだああああああああああああ!!!!!」 俺の耳にだけ、れいむの断末魔の叫び声が、突き刺さる。 「いじゃあいいいいあいあいあいあいいい!!!!だずげで!だずげでええええ!!だずげろおおおおおおおおおお!!!」 あのすさまじい勢いなら、もうおそらく身体の半分以上はなくなっているだろう。 けれどれいむは必死に助けを求めて叫び続けていた。 「だれがああああああ!!!!!だれがあぁあぁっぁぁぁああああああ!!!!」 あの日と同じように、誰かの助けを求めて。 「ああああああぁあああっ!あぁああ……………」 けれど誰もそれに気付かない、れいむの声はどんどんか細くなっていき、ついに掻き消えた。 俺は一度も振り返らずに、公園を後にした。 おしまい。 ------------------------------------------------- あとがき。 最後まで読んでいただきありがとうございます。 思いつきで一気に書き上げたわりには意外と長めになってしまいました。 久しぶり?の虐待物だったので、少々忘れ気味で あれ?れいむってこういうしゃべりかただっけ…というようなところがちらほらあるようなないような なんだか最近勢いのある新しい人がたくさん活躍されてるみたいですね 自分も負けないようにがんばりますよ~! それではまた次回作で会いましょう。 ばや汁でした。 いつも多数のご意見ご感想ありがとうございます! この作品へのご意見ご感想も、どうぞお気軽にお寄せください。 個人用感想スレ http //jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/13854/1278473059/ 今までの作品 anko1748 かみさま anko1830-1831 とくべつ anko1837 ぼくのかわいいれいむちゃん anko1847 しろくろ anko1869 ぬくもり anko1896 いぢめて anko1906 どうぐ・おかえし anko1911 さくや・いぢめて おまけ anko1915 ゆなほ anko1939 たなばた anko1943 わけあり anko1959 続ゆなほ anko1965 わたしは anko1983 はこ anko2001 でぃーおー anko2007 ゆんりつせん anko2023 あるむれ anko2068 おしかけ anko2110 とおりま anko2111 おもちゃ anko2112 ぼくとペット anko2223 まちかどで anko2241 かいゆ anko2304 ぼうけん anko2332 とかいは anko2349 たたかい anko2369 ゆっくぢ anko2413 せんたく anko2427 ぶろてん anko2489 あこがれ 前編 anko2588 ひとりぼっちのまりさ anko2807 母の音 anko2887 僕とれいむと秘密基地 餡小話では消されてしまった作品も多数ありますので、過去作を読みたいと思っていただけた方は ふたば ゆっくりいじめSS保管庫ミラー-ばや汁ページ- http //www26.atwiki.jp/ankoss/pages/395.html をご活用ください。 挿絵:トラップあき 挿絵:さなあき 挿絵:車田あき
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あるお山に元気なれいむがおりました。 れいむはこの群一番のお洒落さん。 とかいはなありすよりもお洒落が大好き。 まりさ、まりさ、そこのまりさ! ゆゆゆ?!なんなのぜ? れいむはとってもおしゃれなれいむなんだよ! だからまりさは、れいむにおぼうしちょうだいね! ゆん?なにいってるのぜ?まりさのだいじなおぼうし、あげるわけないのぜ! いじわるなまりさだね!げすなまりさはせいさいするよ! ゆがぁぁぁぁ!なにをするのぜ! ゆふふ!すてきなおぼうしがてにはいったよ! れいむはとっても上機嫌です。 れいむはとってもゆっくりしているね! れいむはこの群一番の食いしん坊。 ゆゆこよりもご飯を沢山むーしゃむしゃ。 ありす、ありす、そこのありす! なにかしら? れいむはとってもおなかがすいているんだよ! だからありすは、れいむのごはんさんになってね! なにいってるの?とかいはじゃないれいむね! いじわるなありすだね!げすなありすはせいさいするよ! ゆぎゃぁぁぁぁ!ありすをたべないでぇぇぇぇ!! れいむはとっても満腹です。 れいむはとってもゆっくりしているよ! れいむは群一番のすっきり好き。 れいぱーありすよりもすっきりが好き。 ぱちゅりー、ぱちゅりー、そこのぱちゅりー! むきゅ?なにかしら? れいむはきゅうにすっきりしたくなったよ! だからぱちゅりーは、すっきりされていってね! むきゅ…なにをいっているのかしら?…すっきりはおことわりよ! おさそいをことわるぱちゅりーはげすだね!げすなけんじゃをせいさいするよ! むぎょぉぉぉ?!ぱちゅりーはいまはけんじゃもーどなのよぉぉぉ!すっきりしたくないぃぃぃ!! れいむはすっきりして、気分爽快です。 れいむはとってもゆっくりできたよ! れいむはとっても子育てが上手。 他のゆっくりの子供でも面倒を見るのが大好き。 まりちゃ、れーみゅ、そこのまりちゃとれーみゅ! ゆゆ?なんなのじぇ? ゆん?なんにゃの? いだいなれいむが、むのうなおまえたちのめんどうをみるよ! だからおまえたちは、れいむにいっぱいかんしゃしてね! ゆぷぷ!ばかなのじぇ? おお、おりょか、おりょか! れいむをばかにするおまえたちはげすだね!げすのこどもはいまのうちにつぶすよ! ゆびゅちゅ!もっちょ…ゆっくり… ゆびゃちょ!ゆ…ぎぎ…ぎ…… れいむはゲスの子供を潰して大満足です。 れいむはとってもゆっくりできているね! れいむはとっても結界を張るのが好き。 ゆっくりの巣を見つけると親切に結界を張ってあげます。 ちぇん、ちぇん、そこのちぇん! なにかようー? ちぇんのおうちはきたないね!れいむが、すてきなけっかいさんをはってあげるよ! なにいってるのー?ちぇんのおうちに、けっかいさんはいらないよー!わかってねー! れいむのしんせつをことわるちぇんはげすだね!げすなちぇんはせいさいするよ! やめてぇぇぇぇぇ!わからないよぉぉぉぉぉぉ!! れいむはちぇんの体で結界を作ってあげました。 れいむはとってもゆっくりできるんだよ! れいむはとってもお歌が好き。 鳥さん達よりも、虫さん達よりも綺麗に歌うよ。 むれのくずども!さっさとあつまってね! きょうはくずどもに、うつくしいれいむのおうたをきかせてあげるよ! だからたくさんごはんをちょうだいね! なにいってるんだぜ!やめるんだぜ!ひどいうたなんだぜ! なんなのこのおとは?!とかいはじゃないわね! むぎゅう!えれえれえれえれ… わがらないよぉぉぉぉぉぉ!! このむれはげすばかりだね!こんなむれにはいれないよ!れいむはにんげんをどれいにしてくらすよ!! れいむはお顔は真っ赤にして怒りました。 れいむはこんなにゆっくりしているのに!! れいむは人間さんのいる町にやってきました。 れいむはとってもお花が好き。 いつもお花を見つけては、全部綺麗に食べてあげます。 おはなさん、おはなさん、たくさんのおはなさん! このおはなさんは、れいむのために、はえてきたんだね!ぜんぶたべてあげるよ!ゆっくりかんしゃしてね! こら!そこのれいむ!ゆうかがそだてたおはなさんをたべたわね! おはなさんは、れいむのために、はえてきたんだよ!ばかなゆうかはせいさいするよ! ゆぎゃぁぁぁ!やめてぇぇぇぇ!いだいぃぃぃぃ!! ゆうかに噛み付かれて、れいむは逃げていきました。 れいむはゆっくりしてただけなのに! れいむはとってもお昼寝が好き、群一番の怠け者のれいむ。 めーりんよりも、お昼寝が大好き。 めーりん!めーりん!そこのめーりん! じゃおぉぉ……じゃおぉぉぉぉ……?!……じゃ、じゃおお? ここはれいむのゆっくりぷれいすだよ!ここでおひるねしていいのは、れいむだけだよ! じゃおぉぉん! くずのめーりんのくせになまいきだよ!せいさいしてあげるよ! じゃおぉぉぉん!……… れいむ、れいむ、そこのれいむ! ゆげ…ゆぎぎ…ごごご…げげ… お前か、ゆうかの花壇を荒らして、めーりんを苛めたれいむは?! れいむはゆっくりしてるんだよ!どぼじでごんなごどずるの?!くずどもはれいむをゆっくりさせろ!! このれいむはゲスだな!でいぶだな!でいぶは制裁してやるよ!! れいむはとってもゆっくりしていたのに……… れいむはずーっとゆっくりしてしまいました。 ………れいむ、れいむ……れいむ、起きなさい! …だれなの…うるさいよ… 私はえいき…ゆっくりを裁く者です… …ゆん…うるさいよ!…れいむはえいえんにゆっくりしたんだよ!ゆっくりりかいしてね! どうして貴方は永遠にゆっくりしてしまったのか解りますか? みんながいじわるだったからだよ! みんながわがままだったからだよ! みんながゆっくりしてないからだよ! ちがいますよ… 貴方が意地悪だったからですよ。 貴方が我侭だったからですよ。 貴方がゆっくりしてないからですよ。 なにいってるの?れいむはゆっくりしているよ!せかいでいちばんゆっくりしたゆっくりだよ! だからえいえんにゆっくりしたんだよ!りかいできる? なるほど…そういう考え方もありますね… ゲスは死ななきゃ治らない、死んでもえいきの邪魔になるなんてよく言ったものですね… れいむはげすじゃないよ!れいむをげすよばわりするえいきのほうが、よっぽどげすだよ! そうですね…私はゲスかもしれません…自分の判断でゆっくりを裁いているのですから… ゆふふ!りかいがはやくてたすかるよ!りかいしたのなら、れいむにあまあまをもってきてね!たくさんでいいよ! 残念ですがここにあまあまはありません。 ゆふん!つかえないやつだね!めざわりだよ!どこかにきえてね! そうですね…えいきは使えないですね…貴方にふさわしい罰が思い浮かびませんから… なにをやってもあなたは反省してくれませんから… ですから、何度もれいむに生まれ変わらせています。 でも貴方は一向に変わってくれません。 ゆゆ?なにをいってるの?えいきはばかなの?しぬの? 私はもう疲れました… 最後に、今まで貴方がしてきた事をあなた自身で味わってみて下さい。 ?! れいむのおりぼんとらないでぇぇ! れいむをたべないでぇぇ! すっきりはいやだよ! せいさいはいやだよ! れいむをいじめないで!! れいむをゆっくりさせないのはだれ? れいむにいじわるするのは……… れいむ? うそだよ!いやだよ! ゆわぁぁぁぁぁぁ!! なんだかこわいゆめをみたよ…… とってもゆっくりできないれいむだったよ… 茎に実った赤ちゃんれいむは目を開けて辺りを見回しました。 そしてもう一度怖い夢を思い出してブルッと震えるとまた眠りにつきました。 れいむは…ゆっくりしたゆっくりになるよ……… むかしむかし。 とてもわがままなれいむがおりました。 れいむは死んだ後にえいき様に裁かれましたが、一向に反省しませんでした。 何度罰を与えて生まれ変わらせても結果は同じです。 そこでえいき様は一生懸命考えました。 れいむ、ゆっくりしたゆっくりになって下さいね… 誰かにそんな事を言われた気がします。 えいき様はやっと、わがままれいむに相応しい仕事を与える事が出来ました。 わがままれいむは悪いお手本。 ゆっくり出来ないゆっくりの見本として、ゆっくり達の夢の中に現れます。 それはれいむに与えられた罰でもあります。 わがままに生きた代償として、ゆっくり出来ずに死んで生きます。 もういやだよ!れいむはまたしにたくないよ! でもこれは、れいむが望んだ生き方そのものです。 その結果がこれなのです。 わがままれいむは今日も何処かのゆっくりの夢の中で、わがままに生きています。 そして、罰を受けて死んでいきます。 完